Cosminexusで実現するミドル活用モデル―現場力を取り戻す改善アプローチ

2011-01-27 11:00

なぜ今、現場が重要なのか――強い現場にするためのプロセス

 吉村氏は冒頭、「日本の現場はこれまで、社会環境の変化に対応し、競争力の根幹を支えてきた競争力の源泉だった。だが現在の現場では、支えになってきた経験知やノウハウが失われつつある」と強い懸念を示した。 「メールなどが発展した弊害かもしれないが、隣の人は何をしているか分からない。現場の実情は業務のやり方や工夫は個人の暗黙知となり、業務のやり方やコツが現場に根付かない。手順化した業務のやり方が陳腐化しても新しくならない。こうした負の連鎖が現場力低下の背景にある」(吉村氏)

ITの活用でPDCAサイクルを実現

日立製作所
ソフトウェア事業部 第2AP基盤ソフト設計部 担当部長
吉村 誠 氏

弱い現場を、もう一度強い現場にITの力で変えていけないか。吉村氏が示すヒントは、ITによる「PDCAサイクル」の実現だ。PDCAとは、P:ITの導入 D:ITの活用 C:優先順位付け A:解決案を実施 を意味する。ITを使ってこのサイクルを回し、個々の力と業務を積み重ねていくことが「強い現場」を継続させる方策となるのだ。

さらには情報処理の役割分担を担うAP開発者、運用管理者、業務主管元というアクターが、それぞれ各要素の現状を「見えている」ことも重要だが、ヒアリングしてみると「見えていない」企業が非常に多いという。

「見える化のためには、5つのポイントがある。

(1)業務やシステムにはライフサイクルがある。システム開発も初期投資だけを考えない。

(2)業務の改善やシステムの改修なども考慮したライフサイクルとしての投資や効果を考えないといけない。

(3)業務の改善やシステムの改修には、「現状の構成と実態が見えること」が重要で、見えないと改善しない。

(4)「業務の流れ(プロセス)」「作業(AP)」「もの・情報(データ)」の3要素が、業務部門、AP開発者、AP運用者の視点で見えなければならない。

(5)パッケージを使ったシステムは、結局はブラックボックス化するため、改修が頻繁に発生するような部分については、パッケージ構造への理解、ドキュメントの有無、改修時の体制なども考慮した上で導入したい。また、スクラッチでの開発との併用も考えたい」(吉村氏)

ITの活用でPDCAサイクルを実現
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現場の課題解決実例を通じたシステム改善アプローチ

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