インテルは1月18日、同社の最新プロセッサ「第2世代 インテル Core プロセッサー・ファミリー」を紹介するイベント「インテル・フォーラム 2011」を開催した。基調講演にて同社 代表取締役社長の吉田和正氏は、最新プロセッサと同製品が搭載されたPCで実現するビジュアルライフについて語った。
吉田氏はまず、プレゼンテーション画面に「83%」という数字を表示し、「これは人間の五感における視覚の占める割合だ。つまりわれわれは、情報の大半を視覚から得ていることになる」と説明、ビジュアルコミュニケーションが非常に重要だとした。
ビジュアルコミュニケーションは写真や動画などが中心となるが、その写真や動画は通常PCで作成、編集され、インターネットを通じて共有される。吉田氏は、現在全世界に20億人以上のインターネットユーザーが存在し、毎月122億ものオンライン動画が視聴されていることを指摘し、「このようなビジュアルコミュニケーションをより快適にするため、PCの役割はますます重要になってくる」と述べた。
インテルが1月6日に発表した第2世代のCoreプロセッサは、開発コード名「Sandy Bridge」と呼ばれていたもので、「ビジュアルコミュニケーションを快適にするための第一歩だ」と吉田氏。新プロセッサは、「スマートな性能と優れたビジュアル体験ができる、“Visibly Smart”なプロセッサだ」という。
まず性能面では、「インテル・ターボ・ブースト・テクノロジー 2.0」が搭載された。これにより、今回発表した「インテル Core i7-2720QM」は、1年前に発表した「インテル Core i7-840QM プロセッサー」よりも1.6倍高速になったという。
ビジュアル面では、「インテル クイック・シンク・ビデオ」により、動画のエンコード処理を高速化した。これは、従来ソフトウェアで行っていた処理を、プロセッサ上に実装されたハードウェアベースの機能で実行することで高速化を実現したものだ。
また、「インテル ワイヤレス・ディスプレイ V2.0」では、HD映像をワイヤレスで出力できる。会場のデモでは、PCとテレビをワイヤレスで接続し、PCに映し出される動画やインターネットコンテンツをテレビの大画面上に映し出す様子が披露された。
こうした新機能により、「ビジュアル体験がより臨場感のあるものになり、自然なヒューマンインターフェースに近づいていく。目の前で体験しているような、これまでにないビジュアル体験が可能となり、リアルとデジタルの世界を超えるユーザー体験が実現する」と吉田氏は述べた。
新プロセッサを搭載したPCは、今後数カ月で全世界の主要PCメーカーより500種類以上発売される予定。基調講演は、吉田氏が各PCメーカーの代表者を壇上に招く形で締めくくられた。