IDC Japanは3月11日、国内携帯電話市場の2010年第4四半期(2010年10~12月)、および2010年通年の出荷台数を発表した。これによると、2010年第4四半期の国内出荷台数は、前年同期比7.0%増の925万台。これにより、同市場は前四半期に引き続き5四半期連続のプラス成長となった。
同四半期におけるプラス成長の要因としては、全通信事業者からAndroid OS搭載のスマートフォンが連続的に市場投入されていることが挙げられるという。同四半期におけるスマートフォン出荷実績では、Android OS搭載スマートフォン端末が150万台以上の出荷を記録し、iPhone端末を上回る数値となっている。
2010年通年での出荷台数は、同年後半のスマートフォン端末の急拡大が躍進の追い風となり、前年比6.8%増の3615万台となった。
2010年第4四半期における端末ベンダー別シェアでは、スマートフォン市場で最大出荷数値を記録しているシャープが1位を獲得した。同社の獲得シェアは24.5%となり、これは、19四半期連続のトップだという。2位には、安定したドコモ向け端末出荷を維持し、スマートフォン市場においては「REGZA」端末が好調な富士通・東芝(18.1%)、3位にはNECカシオ(12.7%)がランクインしており、同四半期は「合弁会社組」が上位を占める結果となった。
2010年の年間ベンダーシェアでは、1位のシャープは変わらず(年間シェア24.6%)、2位が富士通・東芝となった(17.1%)。3位以下は、パナソニックモバイル、NECカシオとなり、「簡単ケータイ」を含む中、下位機種向けで健闘している京セラも、年間トップ5入りを果たした。
IDC Japan、PC、携帯端末&クライアントソリューションシニアアナリストの木村融人氏は、2011年の見通しとして「Android OS搭載の新規端末およびiPhone新モデルが市場に投入されることにより、スマートフォン市場は年間を通して拡大し、同端末の出荷台数比率は40~50%に急上昇する可能性が高い」とコメントしている。