シミック、ウィプロ・リミテッド(ウィプロ)、日本オラクルの3社は4月11日、シミックがウィプロとオラクルの技術を用いたクラウド環境を活用し、SaaS型の新治験管理システム(CTMS)を導入したと発表した。
近年、国際共同治験は増加傾向にあり、各国での異なる治験管理の規制要件による様々な対応が求められている。治験実施者や治験審査委員会の選定方法においても、幅広い様式に対応する必要があるため、これらは国際共同治験の効率的な実施の観点から大きな課題になっているという。
医薬品開発受託機関であるシミックは、国際共同治験支援業務の強化および中国、韓国、台湾、シンガポール、タイなど、事業拠点を有している東南アジアにおける事業の拡大を目的に、クラウド環境を活用したSaaS型の新治験管理システムを導入した。この新治験管理システムは、ウィプロの治験管理システムソリューション「Wipro Rapid Trial」とオラクルの治験向けアプリケーション「Siebel Clinical」を基盤としている。
これにより、アジア地域で進行する治験の情報や医薬品の開発にともなう費用の一元管理を実現するとともに、各モニターが各種規制、手順、プロトコルなどに沿って治験施設への訪問と報告などをより正確なプロセスで実行することが可能になるという。
新システムは、21 CFR Part 11(米国連邦規則21条第11章:電子記録・電子署名に関する規制条例)にも準拠することで、コンプライアンス強化への高い効果も期待されるという。シミックでは、このシステムで実施されるすべての治験の正確さと効率を高めることを目標としている。