IT投資マインド、中期的には下げ止まりの傾向に--IDC

富永恭子 (ロビンソン) 2011年07月11日 19時40分

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 IDC Japanは7月11日、国内の企業や団体1943社のCIOなど情報システム部門のトップを対象に、4~5月にかけて実施したIT投資動向の調査結果を発表した。これによると、国内企業の2011年度(会計年)のIT投資は震災の影響を受け縮小の傾向が続くとみられるが、経年の調査結果では、企業のIT投資マインドは下げ止まりの傾向にあるとしている。

 2011年度のIT投資の増減計画を前年度比で「減少させる」とする企業は23.8%で、「増加させる」企業の12.7%を上回り、国内企業のIT投資に対する慎重な姿勢が継続していることを示す結果となった。これには3月の東日本大震災も大きく影響しているとIDCでは説明している。しかし、過去のCIO調査結果との経年比較でみると、企業の当年度のIT投資増減計画は、世界的金融危機後に行われた2009年の調査を底としており、震災の影響を受けても昨年とほぼ同程度の増減割合となった。この比較から、企業のIT投資マインドは中期的には下げ止まりつつあるとIDCでは分析している。

 一方、震災の影響により企業の意識が高まった点としては、「リスク管理の強化」「バックアップセンターの強化」「情報システムの省エネルギー化」が上位3項目に挙げられた。大企業に限定すると、「BCP(事業継続計画)およびDR(災害復旧)の強化」も第2位に挙げられている。震災は企業のIT投資の優先順位に大きな影響を与え、これまで厳しい経営環境の中で他の投資が優先されていたBCPとDRの投資を最重要投資と位置付ける企業が増加しているという。

 今回の調査では、2010年度のIT投資領域の実績として「ビジネス継続性および災害対策」を挙げたCIOは7.8%であったのに対し、2011年度計画では12.4%に増加するなど、IT投資計画への影響も表れはじめている。これらからも、震災の影響だけでなく、経営課題や投資領域の点からも企業の意識に変化がみられることが明らかで、こうした変化は今後のIT投資の在り方に大きな影響を与えるとIDCはみている。

 IDC Japan ITサービス リサーチアナリストの植村卓弥氏は「ITサービスベンダーは、震災後の企業の意識変化や、経営課題の変化を踏まえサービス提供の見直しを進める必要がある。同時にIT投資の回復期への備えとして、この数年のトレンドであったコスト削減を目的としたIT投資需要だけでなく、企業の成長に向けたITの活用へと投資を呼び込む準備を進めることが重要だ」とコメントしている。

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