パラレルスは6月5日、自社イベント「Parallels Summit 2012 Japan」を開催。日本法人の代表取締役を務める富田直美氏が「SMBクラウド市場はゴールドラッシュ! SMBクラウドの勝者となる方法」と題した基調講演を行った。
SMBクラウド市場は2015年に2000億円規模に
パラレルスは、コンシューマ向けにはMac用のデスクトップ仮想化ソフトの開発元として知られる企業だが、エンタープライズ分野では、仮想専用サーバ(VPS)サービスの端緒とも言える「Virtuozzo」や、ホスティング環境の管理ツール「Plesk」を開発したSWSoftとしての方が著名だろう。
SWSoftは、Parallelsを買収後、2008年に現社名に変更。売上構成比は、コンシューマ向け仮想化ソフトが35%、クラウドサービスが65%といった状況だ。同社のクラウドサービスを利用する企業は、125カ国1億4800万社に達しているといい、ホスティング事業者向けのクラウド環境の提供でも90%のシェアを持つ。
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富田氏は講演で、パラレルスの独自調査「Parallels SMB Cloud Insights 2012年版」の結果を踏まえ、中堅中小企業(SMB)クラウド市場の動向を解説した。国内SMBクラウドサービス市場は、今後3年間で年率16%で成長し、2015年には約2046億円と2011年度の約1000億円の2倍に拡大するという。
世界的に見ても、SMBのIT支出の総額は2011年度に340億ドルから2014年の680億ドルと2倍になるとし、ホスティング事業者やサービスプロバイダー、ソフトウェアベンダーは「SMBの規模に応じて、適切なサービスを提案していくことで、大きなビジネスチャンスをつかむこともできる」と主張した。
調査では、SMB向けクラウドサービスを、ホスト型インフラ、ウェブプレゼンス、ホスト型コミュニケーション&コラボレーション、ビジネスアプリケーションの4つに分けている。今後最も高く成長すると見込まれているのが、ホスト型コミュニケーション&コラボレーション(ホスト型メールやPBXなど)で年平均成長率(CAGR)29%、2015年には170億円に達する見込みだ。次がビジネスアプリケーション(ファイル共有、給与人事、電話会議など)で860億円(CAGR19%)、さらにウェブプレゼンスが500億円(同12%)、ホスト型インフラが500億円(同10%)となる。
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