NTTドコモは4月8日、クラウドサービスの性能を向上させる新技術を開発したことを発表した。クラウドサービスの応答時間を最大50%短縮させるサーバ管理技術を開発、ソースコードを「OpenStack Foundation」に提出した。OpenStack Foundationは、クラウド基盤を構築するオープンソースの作成を推進している団体でIntelやNEC、HP、Rackspace、NTTデータなど850社以上が参加している。
このソースコードは、クラウド基盤管理ソフトウェア「OpenStack」の最新版である「Grizzly」の標準機能として導入され、OpenStack Foundationが4月4日に公開したという。OpenStackは、仮想化技術を利用して、1台の物理サーバを複数のサーバのように動作させ、ユーザーが利用するクラウドサービスごとに割り当てるクラウド基盤のソフトウェアだ。
今回開発したサーバ管理技術は、応答時間の遅延の原因となっていた仮想化技術を利用せず、OpenStack上で物理サーバを直接サービスごとに割り当てられる点が特徴。これにより、一般的なクラウドサービスの応答時間を約10~50%まで改善できるとしている。
新技術を活用すれば、利用状況に応じて仮想化サーバと物理サーバのクラウド基盤を切り替えられるという。仮想サーバ向けのOpenStack APIとの互換性があり、仮想サーバ制御に利用していたソフトウェアを変更することなく、物理サーバ向けに流用できると説明。OpenStackの拡張性を活用した、数百台規模の物理サーバも管理でき、多数のサーバに対してOSのインストールやアップデートが可能とメリットを説明している。
NTTドコモは2012年からOpenStack Foundationに参加。物理サーバをクラウド基盤で制御するための技術「General Bare-Metal Provisioning Framework」の仕様作成やソースコードの提供などを行ってきた。