デルは8月24日、クラウド向けサーバの新製品「Dell PowerEdge C5220 マイクロサーバ」の出荷を開始したと発表した。
クラウド(Cloud)の「C」を冠するPowerEdge C マイクロサーバシリーズは、同社がクラウドサービスプロバイダーのデータセンター向けと位置づける製品。本来、同社がフルカスタマイズで生産していた「Dell DCS」と呼ばれるサーバ製品のうち、特にウェブサービス事業者からのニーズが高かった構成をシリーズ化したものという。
新製品となるC5220では、3Uのラックマウントシャーシに最大12台分のサーバ(スレッド)を搭載できる。「スレッド」は、1枚のボードにCPU、メモリ、ギガビットイーサネットポート、ハードディスク(HDD)などを搭載したもので、各スレッドは完全に独立し、シャーシ内の他のスレッドに影響を与えずにメンテナンスが行える。また、ノードを追加したい場合も、新たなスレッドをシャーシに差し込むことで、容易に拡張が行える。
デル、公共・法人マーケティング本部サーバブランドマネージャーの布谷恒和氏は、一般的な1Uサーバと比較したPowerEdge C マイクロサーバの優位性として、「設置スペースの削減」「効率的な冷却機構」「消費電力の削減」を挙げる。3Uのサイズに12ノードを集約できる同製品では、設置スペース効率で4倍、削減できる消費電力は1ノードあたり約40%だという。
また、冷却機構については、「デルとしては初めて、100%のコールドアイル・メンテナンスを可能とした製品」(布谷氏)とする。これは、シャーシおよびスレッドの設置後に、すべてのメンテナンス作業を通路側(コールドアイル)から行えるようにしたもの。冷却効率を高め、電力消費を極限まで抑えるために、排気通路となる「ホットアイル」を密封し、専用のスペースで循環させる仕組みをとっているデータセンターにも適用可能という。
布谷氏は、Cシリーズを「(SANへの対応やノード間スイッチなどを含む)高度な管理機構が求められるブレードサーバと異なり、高集積、省電力が求められるデータセンターにおいて、効率的に独立ノードを増やしていきたいといった、完全なスケールアウトのニーズに応える製品」と説明。ウェブホスティング、ウェブサービス、コンテンツ配信ネットワークなどの、「クラウド環境のフロントエンド」を担うサーバ製品として訴求するという。
C5220は、プロセッサとしてインテルXeon E3-1200番台、もしくはCore i3-2120を搭載可能(スレッドあたり1ソケット)。スレッドあたり4本のDIMMスロットを備え、最大32Gバイトメモリが実装できる。価格は111万4050円より。