米国家安全保障局(NSA)には、インターネット上における人々の活動ほぼすべてを確認することのできる機密プログラムがあるという新たな報道が浮上した。
モスクワの空港で足止めされたままとなっているNSA告発者のEdward Snowden氏はThe Guardianに対し、米政府が運用する高性能機密プログラム「X-Keyscore」に関する新たな詳細情報を暴露したと報じられている。NSAが従業員を対象に行ったとされる発表のスライドを入手したThe Guardianは、このプログラムを「最大規模」のインテリジェンスシステムだとしている。
X-Keyscoreに関するSnowden氏のファイルによると、NSA従業員はわずか数回のクリックで、電話番号から電子メールアドレスにいたるまでのあらゆる情報を取得できるという。電子メールの内容や、すべてのインターネット活動、ブラウザ履歴、IPアドレスも知ることができる。これらのファイルとSnowden氏によると、NSAは基本的に、インターネット上における人々の活動すべてを、令状を取得する必要なく確認することができるという。
米政府がこのような情報にアクセス可能で、好ましくない目的に使用しているのではないかという問題については論争が巻き起こっている。議員らは、データへのアクセスは令状を取得した場合のみ可能で、米政府はこの手順に必ず従っていると主張している。そもそもそのような情報のすべてを取得するのは可能ではないと主張した議員もあった。
NSAがアクセス可能であると報じられているデータの量は膨大だが、米国内に居住している米国市民のためには使用されていないようである。実際、NSAの文書には、2008年の時点でX-Keyscoreプラットフォームは、世界中のテロ容疑者300人を逮捕するために使用されたと記されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。