IDC Japanは11月20日、2012年の国内クラウドシステム管理ソフトウェア市場規模の実績と2017年までの予測を発表した。2012年の同市場は前年比46.1%増の67億6100万円と拡大した。2012~2017年の年平均成長率は38.5%、2017年には344億円に達すると予測した。
IDCはクラウドシステム管理ソフトをクラウドシステムを管理する機能を持つソフトと定義する。具体的には、プール化されたリソースの管理や仮想マシンのプロビジョニング、サービスカタログ、セルフサービスポータル、サービス使用量の計測、課金などの機能を持つソフトが対象という。
大手企業の情報システム子会社やデータセンター事業者、クラウドサービスプロバイダーでは、クラウドシステム基盤の構築が進み、クラウドシステム管理ソフトの導入が増加し、同市場の成長につながった。
ベンダー別の売上額ではシェア25%のVMwareが1位、2位はIBM、3位にHewlett-Packardが続いた。2013年の国内クラウドシステム管理ソフトウェア市場は前年比48.6%増の100億円を見込む。2012年に引き続き、2013年はデータセンター事業者や大手企業、クラウドサービスプロバイダーなどで導入され、成長率では2013年がピークとした。
IDCは大手から中堅企業におけるプライベートクラウド需要の高まりが市場を促進する要因になると予測する。その理由として、「プライベートクラウドの構築レベルは、リソースのプール化や仮想マシンのプロビジョニングなどにとどまる企業が多いが、クラウドシステム管理ソフトを活用し、セルフサービス化すればさらに効果を発揮できるため」と説明した。
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2012~2017年 国内クラウドシステム管理ソフトウェア市場 売上額予測(IDC提供)