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JDA Software Groupは、サプライチェーン管理(Supply Chain Management:SCM)のソフトウェアなどを主力として、世界市場を舞台に事業展開しており、i2 Technologies、Manugistics、E3、Intactixなどを買収し、各社が保有していた技術資産を組み合わせ、新たな価値提供を図り、この領域では、25年を超える実績を持っている。
同社日本法人、JDAソフトウェア・ジャパンの代表取締役社長 田上一巳氏にSCM市場の現状と今後の戦略を聞いた。
買収で多くの技術を統合
「原材料の調達に始まり、それが製品化され、市場に投じられ、消費者が店頭で手に取る。ここまでの一連の業務の流れに沿って、生産性、効率性を向上させることがSCMの目的だ。SCMは正に、エンドツーエンドのソフトウェアだ。多くの品ぞろえが必要になる。エンドツーエンドでなく、部分的なソフトウェアを導入してしまうと、非効率が生じることになる。そのようなことが起こらないだけの品ぞろえを整えているのは、われわれだけと自負している」と田上氏は話す。
JDA Software Groupインターナショナル担当シニアバイスプレジデントRazat Gaurav氏(左)とJDAソフトウェア・ジャパンの代表取締役社長 田上一巳氏
同社は、全世界3000社以上の企業に製品、サービスを供給しており、70の国や地域に拠点を設け、同社の製品やサービスを採用する企業は、製造、卸売り、ロジスティック、小売り、 旅行、運輸、娯楽、レジャー、宿泊飲食、メディア、通信など幅広い。同社は多くの企業を買収、合併して、多様なソフトウェアを提供できるようになった。
2000年4月にIntactixを買収したことにより、JDAは統合された商品化計画やビジネス間のソフトウェアを、小売業者とそのサプライヤー向けに提供できる基盤を確立した。2001年9月にはE3を買収。小売りや卸売りといった流通業界への陣地を築いた。2006年7月にManugisticsを買収し、需要管理や価格設定最適化、輸送、ロジスティックスなどの製品体系を整備した。
だが、特に大きな意味を持つのは、2010年1月の、i2の買収だ。6000社以上の世界中の顧客に向け、原材料の調達から消費者への商品提供までのすべての段階でサプライチェーン最適化を提供できる能力を得た。2012年12月にはRedPrairieを合併。統合プランニングや実行系システムとサービスも手に入れた。
これまでに同社は数多くの企業を買収している。各社の得意とする技術要素を巧みに組み合わせ、改めて従来はなかった価値提案を図っている。2013年5月、同社はサプライチェーン管理プラットフォーム 「JDA eight」を投入。単一プラットフォーム上に30以上の異なる製品を統合し、サプライチェーンの計画、最適化、事業分析をクラウド上に展開する。
同社が買収してきた各社を概観すると、i2はハイテク、半導体、家電メーカーなどが得意だった。Manugisticsは飲料、食品、消費者向けベンダーに強く、かつてのJDAは小売業向けで強みを発揮してきた。「買収した複数のソフトウェアに共通するプラットフォームを適用することで、顧客に相乗効果のある価値を提供できる」(JDA Software Group インターナショナル担当 シニアバイスプレジデント Razat Gaurav氏)