北海道大学情報基盤センターは、大容量のクラウドストレージ「ペタバイト級データサイエンス統合クラウドストレージシステム」を構築した。システムを提供した日立製作所が4月2日に発表した。
導入したのは「日立クラウド基盤導入ソリューションPowered by ApacheCloudStack」。大規模なストレージや仮想サーバ、Hadoopなどを提供するためのクラウド基盤を構築するサービスだ。
北大は全国の主要なスーパーコンピューなどをネットワークで結び、1つのアカウントで利用できるHPCI(High Performance Computing Infrastructure)のユーザー向けに、総物理容量1.96ペタバイトのストレージや仮想サーバ環境、Hadoop環境を提供するサービスを4月1日に開始した。HPCIユーザーはポータル画面を介した操作で、必要なIT リソースを利用できるという。
研究機関などはユーザーが必要とするITリソースをオンデマンドで提供できる環境を構築できる。HPCIで標準利用されている異なるドメイン間で認証情報を引き継ぐシングルサインオン機能「Shibboleth認証」に対応し、システムやHPCIを構成する他システムへのログインを共通化できる。
また、仮想サーバ環境でHadoopなどを稼働させる際に課題となっていたストレージへの負荷を平準化する機能を追加し、性能劣化を解消したことを強調している。
日立によると、研究者の間で大容量ストレージやHadoopなど大量のデータを高速に並列処理できる、いわゆるビッグデータ解析環境へのニーズが高まっていることが、今回の北大による取り組みの背景にある。
「ペタバイト級データサイエンス統合クラウドストレージシステム」の利用概念図