オープンデータを推進する一般社団法人オープン・ナレッジ・ファウンデーション・ジャパン(OKFJ)が開催したセミナーで、各省庁が持つ公開可能なオープンデータを検索できるようにしたデータカタログサイトの試行版「DATA.GO.JP」の今後について政府CIO補佐官が語った。
データカタログサイト閉鎖
政府CIO補佐官 オープンデータ担当 平本健二氏
データカタログサイトの試行版は、ミラーサイトなどが立ち上がったものの、DATA.GO.JPは現在も停止中のほか、オープンデータ関連サイトが一部不安定だった。
政府CIO補佐官 オープンデータ担当の平本健二氏はデータカタログサイトの停止について、平本氏も4月3日の時点で気づいたという。データカタログ停止の原因となった会計処理の手続きは間に合わなかったが、事前の準備として予算処理がうまくいかない場合を想定した準備がなかったことを明かした。3月末にオープンデータに関連する一部のサイトが不安定だった問題では、サイトを継続するチェックリストからもれていたと説明した。
4月1日に実施された、政府の「オープンデータ実務者会議」にDATA.GO.JPの停止の話題が出ていなかったことを明かし、情報のオープン化に関する価値や影響を鑑みた、リスクマネジメント機能が働いていなかったと説明した。
「オープンデータの話をしているのだから会議のプロセスを公開することにより、早い段階でミラーサイトを民間にゆだねる方法もあった。情報を開示して政府の信頼性を高めていきたい」(平本氏)
OKFJの庄司昌彦氏はデータカタログサイトの公開停止後、停止の経緯や見通しの説明など情報発信がなかったことが問題だと指摘。4月3~14日までサイトの記述が、データカタログサイトの公開を停止することを示す文言から変わらなかった点が残念であり、ミラーサイトへのリンクもない(4月14日にリンク)と批判した。
「海外の事例を見ても、官民一体となってデータを公開し続ける仕組みを作っている。4月に停止するのでミラーサイトを作れないかという要請が政府からあれば、カタログサイトのミラーをスムーズに作れた」(庄司氏)とし、官民の連携が必要な点を強調した。
平本氏は政府として、いち早くミラーサイトを立ち上げた民間団体「Data for Japan」を構成する3団体に許可を得てからリンクするべきとの意見があったと説明。今後のスケジュールは、5月に閉じたサイトを再開し、10月のはじめまでに本格版を立ち上がる予定だという。
利用規約の厳格化について
OKFJの渡辺智暁氏は、4月1日に政府の電子行政オープンデータ実務者会議で「政府標準利用規約(第1.0版)」(仮称)が提出された利用規約案について、規約が厳格化していると指摘した。「政府サイトに掲載されている著作物を利用できる原則はあるが、公序良俗に反するものへの使用を制限している」と指摘した。
平本氏は、これに対し、制定予定の利用規約が改善の余地があると認めながらも、利用規約は現行の規定を採用予定である旨を説明。
今回の利用規約は各省が検討を重ね、了承できるものをまとめたものであり、まずは政府のオープンデータの取り組みをスタートさせることが重要であると主張した。
渡辺氏はこれに対し、公序良俗の記述に関して懸念を表明しつつも「クレジット表示なので楽観的に見れば利用者に負担を強いるものではない可能性もある」として、一定の理解を示した。
オープンデータの今後
一方、政府が管理するサイトが止まることを念頭にオープンデータをビジネスに生かすべきとの声もあった。サイトの持続性を担保するために運用を厳格化しすぎるよりも、「最大限努力はするが保証はしない」ことをユーザーに理解してもらう「ベストエフォート文化」を作り、より多くデータを出しやすい環境を作ろうというものだ。
別の聴講者はデータカタログサイトの利用が無保証だった点を指摘。データを使う側がオープンデータを使って事業を成功させるなどの成果を出さないと、オープンデータの潮流が加速しないのではと懸念を示し、ビジネスに生かせるようなデータがどこにあるか整理したサイトの作成など、環境整備が必要と語った。
庄司氏は2014~2015年が政府が設定したオープンデータ強化期間であることに触れ、はやくオープンデータの利用の実例を作りたいと話した。
平本氏は「データカタログサイト試行版に関して、不手際はあったが政府に期待してほしい」と締めくくった。