Spiceworksがテクノロジの導入傾向についてまとめた年次報告書「The State of IT」によると、IT業界は安定の兆しを見せているという。
SpiceworksのコンテンツマーケティングマネージャーであるPeter Tsai氏によると、The State of ITの調査結果は、プロフェッショナル向けネットワーキングサイトであるSpiceworksの約500万人のユーザーから抽出した、1100名のITプロフェッショナルの回答を基にまとめられたという。
米国内外の回答者の約60%は、1年以内に自分の勤務先企業で追加のIT職員を雇う予定はないと答えた。人員削減の予定があると答えた回答者はわずか4%だった。つまり、調査対象企業の大多数は現状を維持するか、職員を追加するかのいずれかだ。
Tsai氏は、「これは概して好ましいことだとわれわれは考えている」と述べた。さらに、調査対象企業の大半は小規模な組織なので、その多くは従業員を新たに雇う予算を持ち合わせていない、と説明した。
これらの企業は必ずしも新たに職員を雇うわけではないものの、(42%は)IT予算を増額する予定だと回答している。Tsai氏によれば、多くの企業で、予算の増額分はクラウドサービスの継続的な導入に割り当てられる可能性が高いという。
全体的に見ると、2015年のIT予算増額に関して楽観的な雰囲気が見られるとTsai氏は述べた。同氏は、2014年の世界IT支出は前年比3.1%増の3.8兆ドルに達するとしたGartnerの予測と、IT業界は2020年まで成長を維持すると予測した米労働統計局のデータなどの外部のデータをいくつか引用している。
Tsai氏が重要視したほかのトレンドとしては、企業の規模と従業員1人当たりのITサポートコストの間の反比例関係と、おそらくアーリーアダプションの傾向やプライバシーに対する懸念の低さが理由で、北米のIT予算が欧州や中東、アフリカに比べて若干多いことなどが挙げられる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。