日本オラクルは8月1日、プライベートクラウドやパブリッククラウドでの利用を想定したNAS「Oracle ZFS Storage ZS3」シリーズの仮想化とクラウド機能強化を実施したと発表した。多数の仮想マシン(VM)の同時起動やOpenStackへの対応などクラウド機能を強化した。仮想サーバ環境構築や企業のデータセンターのクラウド化に伴うストレージ基盤としての利用を想定している。
ZS3に搭載するOSの最新版「Oracle ZFS Storage OS 8.2」により、仮想マシン(VM)の展開を簡素化し、管理しやすくした。仮想デスクトップ環境などで、社員の出社時間に多数のVMが一斉に起動し、サーバやストレージに負荷がかかることによる問題を回避できるという。
中規模環境向けの「ZS3-2」では、1万6000のVMを7分以内に同時起動できる。日本オラクルのシステム事業統括プロダクトマネジメントオフィス本部長の宮坂美樹氏は「他社は250から、多くても3000ほどのVMの同時起動を想定していることが多い」として、ZS3-2の同時起動VM数の多さを強調した。
ZFS Storage OS 8.2の機能拡張により、データをブロック単位で転送する仕組みについてのOpenStackのプロジェクト「OpenStack Cinder」対応のドライバーを追加。分散システムで複数のソフトウェアを連携させるREST対応のAPIも提供する。
この日の機能強化により、ZS3を「Open Solaris 11.2」「Oracle Linux」「Oracle VM」といったOpenStackをサポートする製品として追加する。