寺岡システム(仙台市若林区)は、小売業向けクラウドサービスのデータベース(DB)基盤を刷新、高い負荷が予想された4月の消費税率改定に伴う商品マスター金額改定処理にも無事に対応したという。日本オラクルが9月9日に発表した。
計量機器メーカー大手の寺岡精工のグループ会社で計量機器や販売時点管理(POS)システム、物流システムの卸販売や保守、メンテナンスを手掛けている寺岡システムは、自社開発のクラウド型POSシステム「netDoA(ネットドア)」を小売業向けに2003年から展開している。2013年末時点で全国3830店約6000端末にサービスを提供しており、現在では最重点分野と位置付け、販売体制の強化を図っている。
netDoAは、販売管理や仕入・棚卸管理、発注管理、顧客管理などの店舗向けシステムをSaaS形式で提供するクラウドサービス。設備投資などの初期投資やメンテナンスにかかるコスト削減効果が評価され、顧客数が大きく増加していたという。サービス開始当初の予測を上回る勢いでの利用の伸びに対し、既存のDBサーバでは処理能力が不足気味となり、4月の消費税率改定に伴う商品マスターの変更処理では、一晩かかっても終わらないと想定されていた。
そこで寺岡システムは、消費税改訂に間に合うようDB基盤を刷新することを決定。今後の事業拡大にも耐えうる処理能力などからDB専用機「Oracle Exadata Database Machine」を導入した。スモールスタート可能で柔軟な拡張性、データを圧縮する「Oracle Advanced Compression」オプションによるストレージコストの削減、統合運用管理ツール「Oracle Enterprise Manager」による運用の効率化なども評価したと説明している。
DB基盤の刷新で消費税率改定に伴う商品マスターの変更処理は30分で完了した。処理能力の改善でPOSの日次実績集計にかかる時間は平均5分の1に短縮できたとしている。CPU使用率も50%から5%に改善されスループットも向上し、常時悩まされていたストレージボトルネックも発生しなくなったという。