明治安田生命、3万7000人が利用するプライベートクラウド基盤を構築

山田竜司 (編集部)

2014-11-04 07:00

 明治安田生命保険(明治安田生命)は従業員約3万7000人が利用するプライベートクラウド基盤「MYクラウド」を構築、システムの一部を移行し、ソフトウェアにより制御可能なクラウドを構築した。ヴイエムウェアが10月29日に発表した。

 従来より仮想基盤を構築していたが、これまではの基盤では仮想化の統合率が十分には高められず、事故の対応に時間がかかるなどの理由からコスト削減効果が限定的だったという。業務部門の要求に迅速に応えるため、サーバ仮想化だけでは不十分であり、新たにプライベートクラウドを構築した。

 明治安田生命はvCloud Suiteを採用、Software-Defined Data Center(SDDC)の最新アーキテクチャに基づき、プライベートクラウドを構築した。

 vCloud Suiteは、仮想化やクラウド基盤、クラウド管理のポートフォリオを1つのパッケージに統合したハイパーバイザ「vSphere」ベースのスイート製品。米VMware独自のSDDCアーキテクチャにより、データセンター全体をソフトウェアで管理できる。

 明治安田生命は、今回の一連の採用により、サーバ仮想化比率を現在の57%から67%に向上させ、ホスト1台あたり何台のVMが稼働しているかを示す「サーバ統合率」は現在150%へ向上。年間の設備投資コストの3分の1を削減することを見込む。

 2014年度までに23システム、785台のサーバをMYクラウドに仮想化集約し、2017年度までに、さらに350サーバを集約していく方針という。視認性向上により、仮想サーバの稼働状況管理やトラブルシューティング時間を約30%削減し、管理者あたりの仮想マシン数を65台から96台へと約30%向上、 5年間でTCOを約60%削減する見込みだ。

 プライベートクラウド基盤構築の第1フェーズとして、基幹システムの移行をすでに完了しており、第2フェーズでは、その他のシステム、明治安田生命グループ関連会社の各システムを2018年3月までの4年間で順次移行する予定としている。

 さらにクラウド基盤にVMwareのネットワーク仮想化基盤「VMware NSX」を融合し、自動化の促進によるビジネスの俊敏性向上も検討しているとした。

コンサルティングサービスを利用

 明治安田生命は今回、ヴイエムウェアのコンサルティングサービス「VMware Accelerateアドバイザリーサービス」を利用した。

 Accelerate アドバイザリーサービスは顧客ごとの仮想化基盤を構築を支援するコンサルティングサービス。企業との協業の中で、企業のIT 戦略の策定や価値のモデリングから、戦術的なベンチマークの分析など、IT戦略策定プロセスを含むサービスを提供している。


Accelerate アドバイザリーサービス

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