日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は12月10日、ミッションクリティカル用途向けサーバ「HP Integrity Superdome X」を発表した。価格は2397万1000円から。
HPではミッションクリティカル領域が従来の基幹業務、金融決済に代表される特定業界向けサービス基盤用だけでなく、ビッグデータを活用したリアルタイム経営改革、セキュリティや交通網、災害監視といった社会インフラ、業種関融合や連携、メールやコラボレーションといった範囲まで拡大していると説明。
日本HPの執行役員で、HPサーバ事業統括本部 事業統括本部長 手島主税氏
日本HPの執行役員で、HPサーバ事業統括本部 事業統括本部長 手島主税氏は「ミッションクリティカル向けサーバ市場は減少傾向にあるという見方もあるが、当社ではそう考えていない」と話す。
新たな潮流によって、ミッションクリティカル領域は拡大しており、そこに向けた革新的技術を活用した製品を開発するための投資を拡大するとの考えを示した。
新製品はその戦略に基づいており、ミッションクリティカルな新たなワークロードをサポートする、x86サーバとして最高水準の信頼性、可用性を実現しているとアピールした。
今回のIntegrity Superdome X発表にあわせ、米Hewlett-Packardのミッションクリティカルサーバ事業責任者で、エンタープライズサーバビジネス バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのRic Lewis氏が来日した。
Lewis氏は、HP-UX、ブレードサーバ、Moonshotなどを担当してきた。新製品は、TCO効率化が求められる汎用ビジネスアプリケーション、スケールアウトのための高密度実装技術が必要なビッグデータ、HPC、ウェブ、ミッションクリティカル環境に必要な事業継続のための信頼性と拡張性、仮想化とクラウド環境のITサービスのための統合型ソリューションと、あらゆるワークロードに最適なコンピュートを提供するという。
エンタープライズサーバビジネス バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのRic Lewis氏が来日
「3年前にProject Odysseyを発表しました。x86にノウハウを投入し、持続的成長、変革の進歩を実現する計画であると話しました。この大胆な計画が、今日実現することになったのです」(Lewis氏)
HP Superdome Xの製品概要としては、Intel XeonプロセッサE7 v2 ファミリーを16CPU/240コア搭載可能で、最大16ソケット、12Tバイトメモリを搭載。また、HP独自のnParsハードパーティーショニングテクノロジによっソフトパーティーションの20倍の信頼性を提供し、クリティカルなアプリケーションをほかの障害から遮断、隔離することで、アプリケーションの稼働時間を最大化する。
x86の効率性とSuperdomeで培って来た先進技術を統合し、業務処理、意思決定支援ならびにエンタープライズデータベースを含むクリティカルなLinuxワークロード向けに提供する。
日本HPのHPサーバ事業統括本部 HPサーバ製品統括本部 エンタープライズサーバ製品ビジネス開発部の部長を務める中井大士氏は「HP Superdome Xセルブレードには、XeonプロセッサE7 v2ファミリ、最大32GB DIMMを48枚、合計で1.5TBのメモリとHP開発のチップセット『XNC2』を搭載する。
これにより、すべてチップセットXNC2を介してCPU間で通信するため、CPU間処理のオーバーヘッドを削減し、ブレード間を超高速で通信する特徴を持っている。一般的な8CPUサーバでは1回のやり取りでCPU間通信ができず、CPU間処理のオーバーヘッドが発生するという。
会見には12月3日、スペインで開催された「HP Discover2014」でもテクノロジーパートナーシップを発表したNECが登場。
日本電気 ITプラットフォーム事業部長の西村知泰氏が「NECとHPは1995年に協業契約を締結し、累計3万台のHP-UXサーバを販売し、今年が20周年となる。今回、従来のHP-UXサーバに加え、x86 Linuxサーバを共同開発し、業界をリードするテクノロジを継続的に提供していくことを再確認した」と説明した。