米Yahooは米国時間2月19日、モバイルソフトウェア開発者向けに、ユーザーエンゲージメントの測定や、アプリの収益化を支援する新しいツール群を発表した。広告の挿入やパートナーとの連携をより容易にするものだ。
Yahooがこのようなツールを開発者に提供したのは今回が初めてだ。しかし、テクノロジ大手の同社をモバイルの時代に導くことは、最高経営責任者(CEO)Marissa Mayer氏が描く戦略の大きな部分を占めている。
Mayer氏は、同社がモバイルソフトウェア開発者を対象にサンフランシスコで開催した初のモバイルカンファレンスで、「当社でモバイルはわずか50人の従業員が取り組む趣味のようなものから、事業の4分の1を占めるものへと変わった」と述べた。Yahooは2014年、モバイル端末上の広告で12億ドルの収益を上げたとMayer氏は述べた。
Yahooにとって、ライバル企業との競争に挑もうという状況で、モバイル業界で話題を呼ぶことは不可欠だ。また、Apple、Facebook、Googleといった大手はユーザーをデスクトップPCからスマートフォンやタブレットへとシフトさせてきたが、Yahooはそうしたシフトに大きく失敗してきた。
だが、Yahooはこうした後れを取り戻そうと動き始めている。Yahooは、2014年第4四半期のモバイルの売上高が2億5400万ドルであり、同社がこの数値の報告を開始した前四半期から23%増となったと発表していた。
19日にYahooが発表した新ツールは、同社が2014年8月に買収したモバイル分析企業Flurryの技術をベースとしたものだ。Mayer氏はこの買収後、Yahoo社内の広告チームを刷新してきた。Yahooの広告プロダクト担当シニアバイスプレジデントには、Flurryの最高製品責任者を務めるPrashant Fuloria氏が就任している。
19日に発表されたツールには、「Flurry Pulse」が含まれる。アプリメーカーは、これを使用してパートナーとデータを共有できるほか、デジタル分析企業comScoreと新たに統合したことにより、オーディエンスの規模を測定できるようになっている。もう1つの新ツール「Yahoo Search in Apps」は、ユーザーがアプリ内で検索できるよう、Yahooの検索エンジンをアプリに追加できるというものだ。
Mayer氏は、今回のイベントを、同社と連携することに慣れていない新規の開発者らと親密な関係を築くための最初の取り組みとして活用した。Mayer氏は、聴衆に向けて「皆さんの多くは、Yahooになじみがないと思う」と話した。「われわれは、事業、そしてアプリを前進させるために、互いに協力したいと考えている」(Mayer氏)
Marissa Mayer氏
提供:Screenshot by Richard Nieva/CNET
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。