SDN、NFVは実用期へ--2019年まで年55%成長:IDC予測

2015-03-31 14:22

 IDC Japanは3月31日、SDN(Software-Defined Network)、ネットワーク機能仮想化(Network Functions Virtualization:NFV)に関する国内市場動向分析結果を発表した。SDNとNFVは、データセンター、企業ネットワーク、通信事業者のネットワークのいずれにも、コンセプトや検証段階から商用ネットワークに適用する実用期に入ったと分析している。

 最も早くから市場が立ち上がったデータセンターSDNは、商用環境への導入も進み2014年には51億7800万円の市場規模になったとした。今後も概念実証(Proof of Concept:PoC)を進めてきた事業者や企業が、本格的に商用環境や本番環境に展開していき、2014~2019年の年平均成長率(CAGR)54.8%、2019年には460億1400万円に達すると予測している。

 一方、現行ソリューションに対しては、仮想ネットワークだけでなく物理ネットワークも同様に制御する必要性や価格体系の面での課題も浮き彫りになったとした。成長を続けるためには、これらの課題を克服した次世代データセンターSDNの早期展開が求められていると指摘している。

 企業ネットワークSDNは、ベンダーが顧客との対話を通じて、SDN技術の最適な適用箇所はどこか、そして実践を通じて得られた効果を見極めながら、より現実的なアプローチへとシフトしていると説明した。

 企業ネットワークSDNの現実的な事例が明らかになる中で、企業ユーザーからはSDNが実用的なサービスと認知されるようになってきており、SDNが企業ネットワークにおける構築、運用の手段の1つとして受容されることで、2014~2019年のCAGRは55.0%に達すると予測した。

 通信事業者向け市場は、2015年から本格的に立ち上がり、2015会計年度から国内通信事業者による国内通信事業者によるパケットコア仮想化(Virtualized Evolved Packet Core:vEPC)の商用サービスへの導入が予定されており、NFVの商用化への道程が示されいるという。

 新たに導入されるネットワークやサービスインフラに、SDN技術やアーキテクチャが何らかの形で組み込まれるとし、2019年には、通信事業者向けのSDN市場が553億6500万円、NFV市場が753億9900万円に達すると予測した。

 IDCは、通信事業者ネットワークにおけるNFV化の流れに対して、通信事業者向けネットワーク機器ベンダーは、通信事業者のNFV化の成功と、それに伴う設備投資費用(Capital Expenditure:CAPEX)と運用費用(Operating Expense:OPEX)削減、サービス競争力向上の実現に積極的に貢献すべきであると指摘している。


2012~2019年 国内データセンター、企業ネットワークSDN市場 売上額予測(IDC提供)

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]