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富士通、DWH/BIを備えた電子カルテシステム--C/Sからウェブアプリに変更

羽野三千世 (編集部)

2015-07-13 18:26

 富士通は、医療ビッグデータビジネスの創出に向けて、医療・介護・健康分野のデータを二次利用できる形で集約するヘルスケアICT基盤「Healthcare Information Suite」を構想している。このビジョンの実現に向けた第1ステップとして、7月13日、データウェアハウス(DWH)やビジネスインテリジェンス(BI)ツールを備えた大規模病院向け電子カルテシステム「FUJITSUヘルスケアソリューション HOPE LifeMark-HX」を発売した。価格は4325万円から。2016年度下期中に、クラウドサービスでの提供も予定する。

 HOPE LifeMark-HXでは、同社が1999年から提供してきた電子カルテ製品のシステム構造を一新。将来のクラウドサービスへの移行を容易にするために、従来のクライアント/サーバ(C/S)方式から、クライアントがブラウザのみで動作するウェブアプリケーション方式に変更した。クライアントにアプリケーションを保持しないため、タブレット端末などにも標準で対応する。「モバイル端末を使って院内のどこからでも患者のカルテ情報にアクセスできる。医療スタッフのワークスタイル改革にもつながる」(同社 ヘルスケアシステム事業本部 医療ソリューション事業部長代理 中川昌彦氏)

 標準のDWH/BIとして、Microsoft SQL Business Intelligenceを備える。電子カルテの診療データだけでなく、医療会計システムのデータ、院内の部門システムなど、診療と病院経営に関係するすべてのデータを二次利用できる形式に変換し、ひとつのDWHに統合する。中川氏は、「診療データと会計データを統合して分析することで、診療内容に基づいた収支分析などが可能になる」と説明した。


Microsoft SQL Business Intelligenceを使って診療と病院経営に関係するすべてのデータをひとつのDWHに統合(資料提供:富士通)

 同社では、富士通製電子カルテのユーザー会「利用の達人」での調査をもとに、各病院で共通に必要な指標を分析、レポートするための機能をDWH/BIに搭載。蓄積されたデータを活用するためのマニュアルも整備した。電子カルテで国内トップシェアの同社だが、「さらなる電子カルテ普及のためには、蓄積されたデータをどう活用するかを示していくことが重要だ」(同社 公共・地域営業グループ VP 兼ヘルスケアビジネス推進統括部長の佐藤秀暢氏)と考える。

 2016年度下期に、富士通データセンターを基盤としたクラウドサービスでの提供を開始する予定だ。クラウド型では、院内ネットワークと富士通クラウドをIPsec VPNで接続する。「クラウド基盤の構成については現在設計中。自社クラウドを軸に、例えばBI機能はMicrosoft Azureを利用するなど、他社クラウドとの連携も検討している」(中川氏)


HOPE LifeMark-HXのクラウドサービスのイメージ(資料提供:富士通)

 政府は、「日本再興戦略 改定 2015」の中で、2020年までにベッド数400床以上の一般病院における電子カルテシステムの普及率を90%にまで引き上げる目標を掲げている。佐藤氏によれば、現在、400床以上の病院における電子カルテの普及率は60%、そのうち富士通のシェアは50%だとする。政府目標の追い風もあり、今回発表した新電子カルテシステムの販売目標は2018年度までに250本、新電子カルテシステムを中心としたヘルスケア市場での2018年度売上は2000億円と、強気の構えだ。

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