「Windows 10」の新機能やシステム要件について解説した前回に引き続き、今回は3種類のサービスブランチの違いや入手方法などについて解説する。
「Windows 10」が重要である理由
Windows 10は、「Windows 8」のモバイル重視のインターフェースに尻込みした多くの企業ユーザーを取り戻し、「Windows XP」や「Windows Vista」を今も使い続ける最後の抵抗者をようやく新しいOSに移行させることを狙ったMicrosoftの取り組みだ。
新機能やセキュリティアップデート、プラットフォーム共通のデザインのほかに、Windows 10は、Microsoftの旗艦OSに対する考え方が大幅に変わったことも示している。Microsoftはユーザーに対して、Windows 10を「サービス」と考えるよう促している。数年ごとに番号付きの新バージョンのWindowsをリリースする代わりに、同社は新しい機能やアップデートを継続的にリリースしていく予定だ。Microsoftは、2015年7月のリリースから10年にわたってWindows 10をサポートすることを約束している。
米ZDNetのMary Jo Foley記者によると、Windows 10には、「Current Branch」(CB)と「Current Branch for Business」(CBB)、「Long Term Servicing Branch」(LTSB)の3種類の「サービスブランチ」が用意されているという。どのサービスブランチを利用できるかは、ユーザーが所有するWindows 10のエディションによって決まる。
「Windows 10 Home」のユーザーはCBしか利用できない。このサービスブランチでは、Microsoftが新機能やバグフィックス、セキュリティアップデートを「Windows Update」経由で自動的にプッシュ配信する。Windows 10 Homeに搭載されるWindows Updateバージョンでは、ユーザーがアップデートを遅らせたり、無効にしたりする手段は提供されない(Microsoftは、パワーユーザーが一部のアップデート、特にハードウェアドライバをブロックできるようにする特別なツールをリリース済みだが、このツールは一般ユーザー向けではなく、OSに標準搭載もされない)。
「Windows 10 Pro」のユーザーはCBかCBBのいずれかを利用できる。Windows 10 ProのCBオプションは、Windows 10 Homeと全く同じように機能する。しかし、CBBオプションを利用すれば、Windows 10 Proユーザーはセキュリティアップデートを即座にインストールしても、新機能とバグフィックスは遅らせることが可能だ(ただし、無期限に遅らせることはできない)。
「Windows 10 Enterprise」のユーザーはCB、CBB、LTSBを利用できる。LTSBを利用すれば、企業のIT部門はWindows 10の新機能のインストールを最長10年延期することができる。