働き方が変わりつつある。エンタープライズにおけるモバイル端末の普及とクラウドが可能にするコラボレーションにより、集中したオフィス環境からリモートアクセスと在宅勤務のモデルにシフトしつつあるのだ。
新しい働き方は単なる福利厚生の枠を超えており、才能ある従業員を引きつけることや維持することに大きな影響を及ぼしている。ITコンサルティング企業Softchoiceの調査「The Death of the Desk Job(デスクワークの終焉)」によると、従業員の間で働き方の柔軟性を重要視する傾向が強まっているという。
調査は北米でさまざまな業種の正社員約1700人を対象に、働き方の変化を調べた。シフトを後押ししているのは技術だ。
調査で最も重要なポイントは、回答者の78%が遠隔から仕事ができることを重視しているという点だろう。70%が、時間と場所にとらわれずに作業できる柔軟性のある仕事があるなら、現在の仕事を辞めてもよいと回答した。
Softchoiceで情報技術担当バイスプレジデントを務めるFrancis Li氏は、「私がもっとも共感したのは、柔軟性を理由に働き先を選ぼうという動きが見られることだ。柔軟性がないことを理由に会社を辞めようと考える人すら出てきている」と述べた。
調査では62%が、「オフィスの外で仕事をした方が生産性がアップする」と述べた。「月に1度以上、オフィスの外で仕事をする」と答えた人は72%だった。オフィスの外で働く人のうち、63%が電子メール、49%がクラウドアプリ、30%がリモートデスクトップを最も多く利用してデータにアクセスしていると述べた。
これら従業員のうち、1日を決定する要因は2つある。柔軟性のある時間帯、そして遠隔からのアクセスだ。調査では、柔軟性のある勤務時間を重視する人は86%で、78%が遠隔からのアクセスを重視すると述べた。このような調整可能な働き方のおかげで、個人的でソーシャルな約束を怠らずにすむと述べた人は75%いた。
在宅勤務は決して新しいコンセプトではないが、ここ数年で大きな関心が集まっている。仕事の時間と場所での選択肢という点では、2〜3年前と比較して「選択肢が増えている」とした人は55%、10%が「増えていない」、35%が「同じ」と回答している。
また、回答者の59%が業務に使用する端末を提供されているという。その内訳は、ノートPCが83%、携帯電話が44%、タブレットが21%、ウェアラブルデバイスが1.5%であるという。業務用の端末を持つ人の大部分が、端末がない場合よりも生産的で働きやすいと感じている。
この調査で最も興味深い統計の1つは、業務用の端末を持つ回答者の39%が残業を期待されていると感じている点だ。一方、端末を持たない回答者の8%が同様に感じている。さらに、業務用の端末を持つ回答者の45%が最適なワークライフバランスを実現していると述べており、業務用の端末を持たない人の場合、その割合はわずか27%となっている。
こうした傾向が見られるにもかかわらず、回答者の76%は、所属する組織で通常の就業時間外の労働を管理する制度が整っていないと述べている。
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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。