海外コメンタリー

マイクロソフトが考える新しい「製品の売り方」

Mary Jo Foley (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2016-04-25 06:00

 われわれMicrosoftウォッチャーは、最高経営責任者(CEO)であるSatya Nadella氏が、同社の「文化的変化」について語るのを何度も聞いている。


Satya Nadella氏
提供:Microsoft

 もちろん、同氏の話はなかなかよい話に聞こえる。しかしこれまで、Microsoftの最新のミッションステートメント「世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を最大限に引き出すための支援をすること」への変更や、「成長マインドセット」の重視が、製品や営業戦略の面でなにか大きな違いをもたらすとは考えていなかった。そして、同社の外側にいる顧客にとって重要なのは、結局のところ製品や営業戦略なのだ。

 しかし、2013年からMicrosoft North Americaでプレジデント兼セールスおよびマーケティングの責任者を務めるJudson Althoff氏の話は、「新しい」Microsoftが、営業面で進めている取り組みについて考えさせるものだった。

 Altoff氏は、Microsoftが開催したカンファレンス「Microsoft Envision」の重要なスピーカーの1人だった。Microsoft Envisionは、「Dynamics」を中心としたショーだった「Convergence」の代わりに2016年から開催されることになった、企業の意思決定者向けのカンファレンスで、4月に米国のニューオーリンズで開催された。

 Altoff氏は、このカンファレンスの初日に、「これまでWindowsやOffice、SQL Serverなどのサイロ化したテクノロジを販売していた営業部隊に対して、今後はソフトウェアライセンスを売ることはしない、こういうミッションで進める、と伝えるにはどうしたらいいだろうか」と問いかけた。

 Altoff氏によれば、その答えにはいくつもの要素が絡んでおり、Microsoftがソーシャルチャネルや個人間のコミュニケーションで顧客と関わっていく方法を変えていくことや、社内の洗練された「コーチのネットワーク」によって、営業部隊に営業損失やミスから学ぶことを教えることなども含まれているという。

 同氏は、Microsoftは製品グループ間の壁を排除することを学んだだけでなく、同時に、「これまで行ってきた(Microsoft製品の)マーケティング、販売、サービスの進め方の間にある垣根を取り払う」ことも学んだと語った。また、同社はテクノロジだけを重視するやり方から、顧客がそのテクノロジで何ができ、何をすべきかを重視するやり方に移行しようとしていると同氏は述べた。

 「重視すべきは、どうすれば販売したXboxごとに多くのコントローラやゲームを販売できるかを見いだした人材であり、Azureを利用した機械学習やデータサイエンスのプロジェクトを、顧客に販売する方法を見つけた人材であり、『Skype for Business』をさらに利用して、組織環境におけるつながりや協調作業を後押しし、顧客に価値を感じてもらえる方法を見つけた人材だ」とAltoff氏は述べた。

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