ノークリサーチは7月5日、中堅・中小企業におけるストレージ形態の選択と機能ニーズに関する調査を実施した。

定型データ用途は「更新導入」、非定型データ用途は「追加導入」
上のグラフは、調査結果の中から「今後一年以内にどのようなストレージを導入する予定があるか?その際の導入パターンはどのようなものか?」を尋ねた結果のうち、年商5億円以上~50億円未満の中小企業層における「DASストレージ」「ファイルサーバ」「オンラインストレージサービス(ファイルサーバ型)」の3形態に関するデータを抜粋したもの。
主に定型データの格納先となるDASストレージでは、更新導入が他のパターンと比べて若干多い一方、主にオフィス文書などの非定型データの格納先となるファイルサーバやオンラインストレージサービス(ファイルサーバ型)では追加導入が最も多くなっていることが分かる。
中堅企業層の隣接する年商帯においてもニーズは異なってくる
下のグラフは、ストレージに関する数々の機能ニーズに対する回答の中から、年商50億円以上~100億円以上の中堅下位企業層、および年商100億円以上~300億円未満の中堅中位企業層における3つの機能ニーズに対する回答結果を抜粋したもの。
年商500億円未満全体と比較した場合、「仮想サーバ毎の性能/アクセスの制御」は中堅下位と中堅中位のいずれも高い値を示しており、仮想サーバを意識したストレージ管理が求められていることが分かる。
「クラウドサービスへのデータ移動」は中堅中位では全体よりも高いが、中堅下位では全体より低い。逆に「システムのレプリケーション」は中堅下位では全体より高いものの、中堅中位では全体より低い。
中堅中位は中堅下位と比べてシステムレプリケーションによるのシステム保護の取り組みも進んでいる一方、取り扱うデータ量も多いため性能やアクセス制御の対策が新たに必要になっているものと考えられる。このように、隣接する年商帯の間でもストレージの機能ニーズは少しずつ異なってくる点に注意する必要がある。

調査は、同社が発行した「2016年版 中堅・中小企業におけるストレージ活用の動向予測レポート」に向けて行われたもので、日本全国/全業種の年商500億円未満の中堅・中小企業における「企業経営もしくはITの導入/選定/運用作業」かつ「ストレージの導入/管理の意思決定または実作業」に関わる職責の人物を対象として5月中旬に実施され、有効回答件数は328件。