国保中央会、介護保険システムと障害者総合支援システムを一拠点集約化

NO BUDGET

2015-04-17 08:34

 公益社団法人国民健康保険中央会(国保中央会)は、これまで個別に開発・運用されてきた「介護保険審査支払等システム」と「障害者総合支援給付支払等システム」について、運用効率化、更改コスト削減、セキュリティ向上を目指し機器更新を機に集約化、新たに一拠点での運用を2014年5月より開始した。

 新システムでは、2011年3月の東日本大震災を受けてデータ保護も強化し、国保中央会と国保連合会の各拠点でもそれぞれバックアップを行い、媒体でも保管するバックアップデータ二重化を図っている。ソリューションを提供したデル・ソフトウェアが4月16日にユーザー事例として発表した。

 国保中央会は1959年に設立され、2012年から公益社団法人に移行、国民健康保険事業と介護保険事業の普及、健全な運営と発展を担い、社会保障と国民保健の向上に寄与することを目的に、国保事業の実施者である保険者を会員として全国47都道府県に設立されている国民健康保険団体連合会(国保連合会)を会員として組織されている。

 今回、新システムとして運用が集約された介護保険システムと障害者総合支援システムは、いずれも国保中央会が全国標準システムとして開発し、国保連合会がその事業の一環として運用している。

 もともと各システムは別のシステムインテグレーターにより開発、保守が行われてきた経緯があるが、6年ごとの機器更改を機に次のシステムのあるべき姿を検討してゆく中で、この2つのシステムを集約した上で一拠点にまとめるべきだという結論に達し、2010年からプロジェクトが開始された。

 その後に東日本大震災を経験し、データ完全性への要求が引き上げられ、バックアップ体制の強化が図られている。共同運用センターからそれぞれの国保連合会の拠点へレプリケートさせたデータを隔地保管することで、何があってもデータを損失させまいとしたのだ。

 このバックアップに関しては、物理サーバで稼働していた旧システムに対し、新たに仮想サーバを採用したことから仮想サーバ「VMware vSphere」のバックアップも考慮することとなり、バックアップソフトウェアも更新することとなった。

 バックアップ先としては新たに仮想テープライブラリを導入、日次の差分、週次/月次のフルバックアップをD2D2T(Disk to Disk to Tape)で行うほか、D2D2D(Disk to Disk to Disk)による仮想サーバのスナップショットも実施するとした。

 バックアップソフトには、機能や価格、サポート体制などの評価の結果、デル・ソフトウェアのバックアップおよびリカバリソフトウェアソリューション「NetVault Backup」を採用した。

 なお、バックアップソフトに関する要求として、システムの機器更改が約6年のサイクルであるのに対し、これまで使ってきたソフトのライフサイクルが2~3年程度と短く、運用サイクルの途中でバージョンアップが求められるという課題もあったが、デル・ソフトウェアでは5年間の長期保守サポートを提供、バージョンアップに伴う作業やコストを抑えられる点もポイントとなったとしている。

 新たなバックアップ対象は物理・仮想サーバ約1000台にのぼり、共同運用センターだけでも数百台もの仮想サーバが稼働しているが、バックアップ環境の構築は特に問題なく予定通り完了、バックアップ処理も安定しており時間内に終えることができている。

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