自動機械装置と機能機器の総合メーカーであるCKDは、統合基幹業務システム(ERP)を全面刷新。会計、販売、購買、在庫、生産の各領域をカバーする新システムを6月から導入開始した。2017年4月から会計部分の稼働を始め、それに続いて販売、購買、在庫、生産の各領域を順次稼働させる計画。SAPジャパンが7月15日に発表した。
CKDは1943年に日本航空電機として設立され、真空管製造装置や蛍光灯製造装置などの自動機械装置の開発、設計、製造からスタートした。創立から70年を超える現在、自動機械装置140商品群、空気圧機器、流体制御機器などの機能機器7000商品群、50万アイテムを揃えるに至っている。
今回の全面刷新は、事業環境の変化のスピードが増している昨今、現状の基幹システムに発生しているさまざまな課題を解消するとともに、さらなるグローバルでの事業拡大に向けた仕組みを整備すべく検討された。
例えば、従来システムでは引合、先行情報に対する製造指示などの二重入力やコード体系の未統一によるデータ修正作業などで手作業の業務プロセスが発生しており、これらの効率化が課題となっていた。また、リアルタイムでの在庫情報の把握や、詳細な原価分析のための情報活用に対するニーズも高まっていた。さらに、グローバルでの事業拡大に向け、業務プロセスの標準化と、情報管理レベルの向上が求められていたという。
このような課題に対して、複数社のシステムを比較検討した結果、中長期におけるグローバル展開への対応力や実績、ベストプラクティスをベースにした経営改革や業務改革の実績、機能要件に対する高い適合率などを評価して、「SAP S/4HANA Enterprise Management」の採用を決定した。
SAP S/4HANA Enterprise Managementは、会計領域のほかに各業務部門のビジネスプロセスまでカバーすることができる。CKDでは、会計に加えて販売、購買、在庫、生産の各領域をカバーする新基幹システムの構築を進めていく。