Opera Softwareがコンセプトブラウザ「Opera Neon」をリリースした。バブルアイコンとポップアップ動画を採用した斬新なものだ。同社のデスクトップブラウザ「Opera」に取って代わるものではないが、同社が新たなアイデアをOperaに実装する前にテストする場となるだろう。
多くの若者がデスクトップより先にスマートフォンを体験し、コンバーチブル型PCがモバイルに収れんし、スマートフォンを大型ディスプレイに接続すればPCの代わりになる時代にあって、Operaの狙いは、ブラウザに対する長期的ビジョンを示すことだ。
Operaのコンセプトブラウザ「Neon」でYouTube動画がポップアウト表示されている。
提供:Liam Tung/ZDNet
それを念頭に、Operaブラウザの責任者を務めるKrystian Kolondra氏は、今こそこうしたデバイスやユーザー向けのブラウザを見直し、ブラウザの5年後の可能性を示すべき時だとしている。
Kolondra氏は米ZDNetの取材に対し、「『Android』搭載PCというものを考えられるようになるのも、もう時間の問題だと確信している」と語った。
「ウェブページはテキストから画像や動画に移行し、そしてモバイルに対応した。だがブラウザはほとんど同じままで、ブラウザの概念は過去20年であまり変わっていない」(Kolondra氏)
Kolondra氏によると、近い将来には、極めて優れた設計のタッチ対応ブラウザに対するニーズが生まれるという。
Neonは、既存のデスクトップの背景画像をメインインターフェースとして利用し、お気に入りのウェブサイトを示すアイコンの上に大きなGoogle検索ボックスを置いている。標準のOperaブラウザと同様、NeonもGoogleのレンダリングエンジン「Blink」がベースだ。
インターフェースの左側にあるパネルには、動画プレーヤー、ダウンロードマネージャ、イメージギャラリー、スクリーンショット用ツールのボタンが表示される。Neonはさらに、画面分割モードと動画のポップアップ再生機能も備える。後者は、YouTubeの動画ならちゃんと再生できるが、Netflixの動画ではうまくいかない。
他のデスクトップブラウザと比べてNeonの違いが特に顕著なのは、タブが姿を消し、アプリのようなアイコンに変わっていることだ。実際にはタブ機能を備えているが、画面の右側にある列内にアイコンとして表示されており、このアイコンをクリックするとページが開く。
Kolondra氏は次のように述べている。「ウェブページはまさにアプリケーションのようなものだ。モバイルでは、アイコンを移動または削除したり、フォルダに入れたりできる。われわれは『ページを、物理的にあちこち動かせるオブジェクトのようにしたらどうだろう』と考えた。Neonでは、ページをドラッグ&ドロップしたり、自由に動かしたり、あるいは画面を分割したりできる」
また、バブル型のアイコンにしたのは、タッチスクリーンとの親和性が高いとの考えからだ。
Kolondra氏によると、Operaは今後いずれかの時点で、メインとなるOperaブラウザ内の独立したモードとしてNeonを導入する可能性があるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。