税務サービスに「Watson」活用へ--IBMとH&R Blockが提携

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2017-02-06 11:32

 IBMは米国時間2月1日、税務サービスを手がけるH&R Blockと提携し、「IBM Watson」を活用した税務申告サービスを提供すると発表した。

 両社によると、H&R Blockは2月5日より税務申告サービスにWatsonを活用していくという。H&R Blockは、顧客サービスの向上のほか、税額控除(tax credit)や控除(tax deduction)の洗い出しのためにWatsonを利用する。IBMとH&R Blockは、Watsonが人の持つ専門的知識を増強するために用いられると述べている。

 また、H&R Blockはスーパーボウルの第1クォーター内で「H&R Block with Watson」と銘打ったTVコマーシャルを放映し、顧客獲得と、競争の厳しい税務申告サービス分野での差別化を図る予定だ。

 Watsonの採用によって税務申告作業の流れは次のようになる。まず、申告者はWatsonとのインタビューを受けることになる。そしてWatsonはクラウドサービスを利用し、申告者によって明らかにされた情報と還付が受けられる対象との関連付けを行なう。

 Watsonの税務関係の知識は、7万4000ページに及ぶ連邦税法と、毎年実施される税法の変更に基づいたものとなる。H&R BlockとIBMは、税務関連の用語や話題、還付申告手続き中に出てくる質問を用いてWatsonの訓練を実施した。

 Watsonの税務申告分野への適用は自然な流れと言える。IBMは当初から、処理すべき大量のデータが存在する業界をターゲットにしていた。その結果、ヘルスケア分野や小売り分野、教育分野での活用に力を注いできている。

 発表によると今後、H&R BlockはWatsonの知識を税務申告時期を経るごとに充実させていく計画であり、他の分野でもWatsonを活用していく計画だという。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

  5. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]