IBMは米国時間2月1日、税務サービスを手がけるH&R Blockと提携し、「IBM Watson」を活用した税務申告サービスを提供すると発表した。
両社によると、H&R Blockは2月5日より税務申告サービスにWatsonを活用していくという。H&R Blockは、顧客サービスの向上のほか、税額控除(tax credit)や控除(tax deduction)の洗い出しのためにWatsonを利用する。IBMとH&R Blockは、Watsonが人の持つ専門的知識を増強するために用いられると述べている。
また、H&R Blockはスーパーボウルの第1クォーター内で「H&R Block with Watson」と銘打ったTVコマーシャルを放映し、顧客獲得と、競争の厳しい税務申告サービス分野での差別化を図る予定だ。
Watsonの採用によって税務申告作業の流れは次のようになる。まず、申告者はWatsonとのインタビューを受けることになる。そしてWatsonはクラウドサービスを利用し、申告者によって明らかにされた情報と還付が受けられる対象との関連付けを行なう。
Watsonの税務関係の知識は、7万4000ページに及ぶ連邦税法と、毎年実施される税法の変更に基づいたものとなる。H&R BlockとIBMは、税務関連の用語や話題、還付申告手続き中に出てくる質問を用いてWatsonの訓練を実施した。
Watsonの税務申告分野への適用は自然な流れと言える。IBMは当初から、処理すべき大量のデータが存在する業界をターゲットにしていた。その結果、ヘルスケア分野や小売り分野、教育分野での活用に力を注いできている。
発表によると今後、H&R BlockはWatsonの知識を税務申告時期を経るごとに充実させていく計画であり、他の分野でもWatsonを活用していく計画だという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。