トレンドマイクロは3月14日、ARMプロセッサを搭載したLinux機器に感染するマルウェア「ELF_IMEIJ.A」の解析結果について報告した。ネットワーク接続された監視カメラなどに感染して、DDoS(分散型サービス妨害)攻撃を実行する。
ELF_IMEIJ.Aの感染では、まず攻撃者が遠隔から任意のIPアドレスに対してリクエストを送信し、cgi-binスクリプトのリモートファイルインクルードの脆弱性を抱える機器を探索する。脆弱性を抱える機器に対してコマンドインジェクションを実行し、ELF_IMEIJ.Aをダウンロードさせる。ダウンロード後にELF_IMEIJ.Aをローカルで実行させるために、ファイルの権限を変更する。
ELF_IMEIJ.Aの感染フロー(出典:トレンドマイクロ)
同社によれば、ELF_IMEIJ.Aは機器のシステム情報やネットワーク活動の情報を収集するほか、攻撃者がシェルコマンドやDDoS攻撃など実行したり、ネットワークに接続された別の機器に感染を広げたりする恐れがある。ELF_IMEIJ.Aのダウンロード元は少なくとも3つのホストが存在し、韓国の異なる2つのISPにホストされている。
このメーカーの機器は世界で13万台以上が存在するとされ、同社は攻撃者がサイバー攻撃を実行するためのボットネットを形成する恐れがあると警鐘を鳴らしている。