デロイトトーマツコンサルティング 執行役員 パートナー ジャパンテクノロジーリーダーの安井望氏
デロイトトーマツコンサルティングは4月6日、2~3年後に広がる可能性のある技術トレンドについて紹介した年次レポートの最新版「Tech Trends 2017」を公表した。以前に比べてデータ分析の技術が進化しているとし、これまで注目していなかったデータまで分析の対象となるほか、人工知能(AI)などを活用したデータ分析が普及するという。
コンサルティングの執行役員でジャパンテクノロジーリーダーを務める安井望氏は、「テクノロジーは企業の戦略を決める重要な要素になっている」と総括する。要素技術そのものは以前と比べてあまり変化していないものの、技術の新しい活用方法を考えなければならないという。
同社がTech Trends 2017で取り上げた8つのトレンドは以下の通り。
- 組織の垣根を越えるIT/IT変革におけるビジネスのポテンシャル
- ダーク・アナリティクス/非構造化データに眠るビジネス機会に光をあてるために
- 機械知能(MI)時代の到来--テクノロジーがヒトの認知を模倣して価値を生む
- 複合現実(MR)--より直感的で没入感のある今までにない体験へ
- イネビタブルアーキテクチャ--「複雑さ」は「シンプルさ」と「柔軟性」への道を開く
- サービス化されていくシステム--サービス化による基幹システムの再創造
- Blockchain:トラスト経済圏--デジタルアイデンティティの制御
- 飛躍的進化が期待される技術のウォッチリスト--イノベーションの兆しが見えるテクノロジ
2016年版と比べて違いが目立つのは、「ダーク・アナリティクス」と「機械知能(MI)時代の到来」という、データ分析技術の進化。この2つに加え、「組織の垣根を越えるIT」「イネビタブルアーキテクチャ」「サービス化されていくシステム」が、現在の日本企業にとってヒントとなるだろうと安井氏は指摘する。
Tech Trends 2017に加えて安井氏は、「2016-2017グローバルCIOサーベイ」という報告書も紹介した。ハイライトとして、CIOのタイプが3つのどれに当てはまるかをCIO自身に自己申告させたアンケート結果を披露した。
CIOのタイプとしては、「事業の共同創作者」「頼りになるオペレーター」「変化の立役者」の3つの中から選ぶ。現状では「頼りになるオペレーター」が最多で、55%(日本では53%)を占めた。一方、理想像では「変化の立役者」が最も多く、66%(日本では57%)を占めていた。