レッドハットは4月20日、3月から始まった新年度である2018年度の事業戦略について記者向けの説明会を開催した。オープンソースによるデジタルトランスフォーメーションの推進という目標を掲げた上で、日本IBMやNEC、IIJなどのIT大手の責任者も出席し、サービスとしてのプライベートクラウドの提供などパートナーシップに注力することも明らかにした。
望月弘一社長は、2016年3月から始まり2017年2月で終了した2017年度について、年間売り上げの伸びが好調だったと報告。対前年度比で「アプリケーション開発・新興テクノロジー製品」が36%増、「インフラ関連」が15%増、「トレーニング・サービス」が11%増。全体で、売上高は同18%増の24億1200万ドルに達し、60四半期、15年連続の売り上げ成長を達成したことを強調した。
2017年度は、OpenStack5年サポート、日立製作所やパイオニアなどの新事例の公開、クラウドパートナーを47社から56社に増加などさまざまな取り組みを実施。
2018年度は、顧客中心のビジネス変革をテーマに、クラウドおよびコンテナ活用の促進による「次世代IT環境」、DevOpsとITオートメーション実現による「継続的なサービス改善」、アプリケーション高度化による「新しいアイデアの早期実現」という3つを軸にしたサイクルを回していく。
具体的に注力していく製品やサービスとして、次世代IT環境領域における「RedHat OpenShift」「RedHat OpenStack Platform」、継続的なサービス改善における「DevOpsディスカバリーセッション」「Ansible Tower」、アプリケーション高度化における「RedHat JBOSS Middleware」「3Scale」を挙げた。
発表会では、新たなサービスや事例についても公開した。
プライベートクラウドをサービスとして展開する「Private Cloud as a Service」を促進する上で、パートナーとして日本IBM、アクティスおよびIIJ、NECが提供に加わると発表。日本IBMとは、Bluemix Private CloudとOpenStack Platform、Ceph Storageでのパートナーシップを先日ラスベガスで開催された「 IBM InterConnect」で強調されたことを別途説明している。
また、ACTISおよびIIJとは、コンテナプラットフォームをサービスとして提供する「Container as a Service」で協業する。NECとはOpenShiftを中心としたコンテナ型アプリケーション開発と運用環境をNEC Cloud PaaS上に実装する内容で手を組むとしている。
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