米国時間4月25日、IBMはWatsonを利用した、製造業の検品作業を合理化する新たなIoTサービスである、「Cognitive Visual Inspection」をリリースした。
IBMのWatson IoT Platform担当バイスプレジデントBret Greenstein氏は、米ZDNetの取材に対して、Watsonはさまざまなデータの処理や分析に使用できるが、画像認識は得意分野の1つだと述べた。同氏は、製造業の検品プロセスは反復的な作業であるため、Watsonを使って合理化するには理想的なケースだと説明する。Cognitive Visual Inspectionシステムは、検品した製品の数が多くなるほど有効性が高まる。
実際、半日間の画像による検品作業を含む、8日間の製造工程での初期テストでは、検品にかかる時間を最大80%短縮できたという。
また、不良品も7~10%減少した。同システムは、製品についた擦り傷や針先大の穴のような小さな不具合の検知に使用できる。
システム導入時には、データサイエンティストがシステムに画像を読み込ませ、特定の種類の不具合を発見できるようにトレーニングを行う。特定の不具合のパターンを検知できるだけの情報を得られると、トレーニングが終了したことをシステムが知らせる。Greenstein氏によれば、トレーニングにかかる時間は対象製品によって異なるが、1日以内には一定の信頼性を獲得してシステムを稼働させられる水準になるという。
システムの稼働時には、生産ラインにすでに取り付けられている既存のUHDカメラを利用できる。Cognitive Visual Inspectionシステムが不具合を持つ可能性がある製品を発見すると、人間のオペレーターに警告を送り、それが実際に不具合であるかを判別していくことで、信頼性はさらに向上していく。
このシステムは拡張性も高く、トレーニングと管理のワークフローがクラウドベースであるため、検品用の機器が増えても対応できる。利用料金は従量制となっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。