日本IBMは10月20日、繰り返しの定型作業をソフトウェアロボットで自動化するRPA(ロボティックプロセスオートメーション)ソフト「IBM Robotic Process Automation with Automation Anywhere(IBM RPA)」を発売した。業務全体の効率化と人員配置の最適化を支援する。
7月に提携した米Automation AnywhereのRPAソフト「Automation Anywhere Enterprise」とIBMのビジネスプロセス管理(BPM)ソフト「IBM Business Process Manager(BPM) Express」を統合したもの。単純作業の自動化や大量作業の効率化、人的ミスの削減といったRPMの適用範囲だけでなく、業務全体の管理や可視化、業務の分析、改善などBPMの領域まで一貫してカバーするという。
IBM RPAの目指すところ
業務アプリケーションのGUI操作をソフトウェアロボットが代行することで、これまで手動で処理していた作業を自動化する。画面操作を記録することでロボットを作成できるほか、ウェブブラウザやアプリケーション、ファイルなどを操作する約500種類のコマンドを使ってカスタマイズしたり、複雑な処理を追加したりできる。
ロボットの稼働状況やスケジュールなどを集中管理する機能や、ロボットの起動と連携システムへのアクセスを管理するセキュリティ機能などを用意する。
税別価格は月額130万3000円。IBM BPM Expressのライセンス(840PVUまで使用可能)と、Automation Anywhereの5ボット、10開発者、3管理サーバのライセンスが付属する。ボットは1体当たり月額6万5200円で追加可能。
認知技術「IBM Watson」をはじめとする同社製品とのすみ分けについては、「Watsonを“ファジー”なことを判断する右脳とするならば、Automation Anywhereは手となる存在。BPMは全体を制御する中枢神経だ」(日本IBM 理事 クラウド事業本部クラウドソフトウェア事業部長 望月敬介氏)と説明した。
製品のすみ分け