調査

国内公共分野における第3のプラットフォームの最新活用動向を発表--IDC調査

ZDNET Japan Staff

2017-11-21 12:45

 IDC Japanは11月20日、国内第3のプラットフォーム市場(クラウドやモビリティ、データアナリティクスなど)の公共分野における2017年~2021年の市場予測を発表した。

 2017年の国内第3のプラットフォーム市場の公共分野のIT支出規模は、1兆407億円、前年比成長率は5.5%と予測。公共分野の国内第3のプラットフォーム市場は、2017年までは他の産業分野と比較して低い成長率に留まるとしている。とはいえ、東京オリンピック/パラリンピック開催に向け、中央官庁、首都圏を中心とした自治体においては関連支出が増加することから、2018年以降、比較的高い成長率を予測。また、医療、教育では人材不足が課題となっていることから、それがけん引役となり第3のプラットフォーム関連への支出が進むとみている。

 同社は、2017年9月に「国内ユーザー調査」を実施。公共分野における第3のプラットフォームのソリューション利用動向をみた場合、公共分野ではモビリティ、ソーシャルネットワーキングを導入する組織や団体が比較的多いとしている。一方、クラウド、データアナリティクスを導入する組織や団体は一部に留まり、特に医療では採用に消極的。なお、公共分野の組織や団体では、第3のプラットフォーム導入の目的として、多くの公共分野の組織や団体が経営課題として抱える業務効率化/生産性向上の回答率が高くなっているという。よって、公共分野においても経営課題の解決を目的とした第3のプラットフォームの活用が見込まれるとしている。

 大都市圏以外の地域では、税収減少が深刻化。そのため、IT支出への余力はさらに小さくなっているが、地方創生、人材不足対策、および教育改革も喫緊な課題として解決が求められているという。同社によれば、それらの課題解決には第3のプラットフォームの活用が期待されており、既に先進的な地方自治体では第3のプラットフォームを活用することで、課題解決が図られている。一方、多くの地方自治体では、十分な財源確保が難しい上、地域関係者の新たな仕組みの必要性に対する意識改革に時間がかかるなどの課題が弊害となり、第3のプラットフォームの活用が進んでいないという。IDC Japan ITスペンディング リサーチマネージャーの市村仁氏は、「ITサプライヤーは、公共分野の各エンドユーザーに対して第3のプラットフォームの積極的な活用を促す施策を重点的に行うことが重要である」と分析している。


参考資料:国内第3のプラットフォーム(公共分野)市場 支出額予測、2016年~2021年
Source: IDC Japan, 11/2017

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