IBM Researchが地図や衛星、気象、人口の変化を網羅する大規模な地理空間データセットとアプリを結びつけるクラウド分析サービスを提供開始した。
このサービスは「PAIRS Geoscope」と呼ばれる。開発者はPAIRS Geoscope向けのIBMのREST APIを使って、地理空間データや時間ベースのデータを自らのアプリに追加することができる。
PAIRS Geoscopeはこれまで科学者だけに提供されていたが、IBM Researchは今回、あらゆる開発者がPAIRS Geoscopeを試せるように、ウェブサイトを立ち上げた。
PAIRSは、「Physical Analytics Integrated Repository and Services」(物理分析統合リポジトリ&サービス)の頭字語であり、大規模な構造化データセット(例えば、衛星や天候のデータ)と非構造化データ(例えば、ツイートに含まれる位置情報やタイムスタンプのデータ)の融合という課題に対するIBMの答えだ。
IBM Watsonの研究者らは、PAIRS統合エンジンについて2015年の論文で初めて説明し、それがビッグデータ技術の「Hadoop」と「HBase」をベースとして構築されていることを明らかにした。
PAIRSは、複数のデータ形式の複数のデータソースをまたいでデータを取得したり、洞察を探したりするプロセスから「面倒な作業」を排除するはずだ。
IBMのPAIRSでは、米航空宇宙局(NASA)の「Aqua」衛星と「Terra」衛星、土壌に関する米政府のデータ、米海洋大気庁(NOAA)の気象予報、米地質調査所(USGS)の「Landsat」データなど、さまざまなデータセットを利用できる。
IBMの研究者らは2016年、「DJI Phantom 3 Standard」ドローンで撮影した画像を収集し、PAIRSにアップロードする作業に着手した。PAIRSで、それらの画像はほかのデータソースとマッチングされ、土質や衛星、気象のデータが重ねられた。
IBMは、PAIRSプラットフォームには「何ペタバイトものデータ」があると述べたが、全てのデータセットの合計サイズは明かさなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。