bitFlyerになりすましたフィッシングサイト(出典:フィッシング対策協議会)
トレンドマイクロは、オンラインサービスなどの認証情報を窃取するフィッシング攻撃が仮想通貨の利用者を本格的に狙い始めたとする分析結果を発表した。仮想通貨の金銭的な価値だけでなく、使い回しをされる認証情報も標的にしているという。
同社は、仮想通貨を標的とするサイバー攻撃では、悪質なコードやマルウェアを使ってコンピュータで不正に発掘を行う手法が中心であるものの、今後は仮想通貨の利用者を直接的に狙う手法が拡大すると予想する。
フィッシング対策協議会の緊急情報によれば、国内では2017年11月6日に仮想通貨取引所を運営するbitFlyerになりすました攻撃と、2018年3月7日にはbitbankになりすました攻撃の2件のフィッシングが確認されている。
いずれも「アカウントが凍結された」といった内容のメールやメッセージから偽サイトに誘導し、アカウントの情報(メールアドレスやパスワードなど)を入力させる。トレンドマイクロは、使い回しのパスワードを狙うアカウントリスト攻撃から他のクラウドサービスへの侵害も狙った可能性があると分析する。
海外の仮想通貨を狙ったフィッシング攻撃も同様の傾向があるという。トレンドマイクロが2017年12月に拡散したと見られるなりすましメールを解析した結果、メールからウォレットのクラウドサービスの偽サイトに誘導されるだけでなく、利用者が入力した情報を攻撃者にメールで通知する仕組みを持っていることが分かった。
また、インターネットの闇市場ではフィッシング攻撃に必要な手段が有償サービスで提供され、偽サイトを1件当たり7ドルで販売するサービスも見つかった。同社は、こうした事実からフィッシング攻撃では仮想通貨関連サービスも主要な標的になり始めていると指摘している。
仮想通貨のフィッシングサイトを販売するサービス(出典:トレンドマイクロ)