日立国際電気と日立建機は4月10日、モノのインターネット(IoT)の通信環境を改善する実証実験を実施した。携帯電話の電波状況が良くない地域の工事現場でも、通信環境を用意することが可能になる。
今回の実験は、大林組と正治組の協力の下で実施。インターネット接続回線として携帯電話回線を利用し、携帯電話の電波が届く場所から中継することで通信環境が良くない場所においても無線LAN経由でのインターネット接続が可能であることを確認した。有線LANケーブルの敷設作業や設置作業を省き、顧客の使用環境や現場の地形に合わせた柔軟な機器設置や無線LANエリアの提供が可能となる。
実証実験の概要(出典:日立国際電気、日立建機)
これによって、情報通信技術(ICT)を活用した施工管理で利用する各種情報端末を現場でも使えるようになる。離れた現場を行き来する移動時間の短縮やコミュニケーション頻度の向上が期待される。
日立国際電気ではソリューションの製品化を進め、土木・農業のICT活用だけでなく、災害時の臨時ネットワーク、イベント・展示会の仮設ネットワーク、映像監視用のネットワーク、IoTセンサネットワークの延長などにも展開する。
日立建機は、今夏から「Solution Linkage Wi-Fi」として、ICT重機建機、ICT施工管理ツール、現場間コミュニケーションツールをつなぐ、インターネット接続環境と無線LANエリアを提供する予定だ。
大林組の実証実験(同)