英国の医療機関で使用されるソフトウェアのプログラムに不具合があり、英国民保健サービス(NHS)を利用する患者約15万人の医療情報が、患者の同意なしに関係機関で共有されていたことが明らかになった。
影響を受けた患者は、医療情報を診療にしか使用しないよう求める申請を行っていた。これは「タイプ2オプトアウト」と呼ばれる処理だ。
ところが、ソフトウェアに問題があったため、この申請は無視され、情報は医療監査や研究などにも使用されていた。
英保健省のJackie Doyle-Price氏は声明で、保健省が問題に気づいたのは現地時間6月28日であり、「この問題を原因とした診療に関するリスクは存在せず、これまでも一切存在しなかった」と述べている。
影響を受けた患者は、全員がソフトウェア会社TPPによるシステムを使用する家庭医(GP)の診療所で診療を受けていた。NHSのサービス間で患者データを共有するためのシステムだとされる。
ところが、同システムを使用している家庭医に提出されたタイプ2オプトアウトの申請が、「不具合」のためにNHS Digitalに送信されず、2016年4月~2018年6月の間に、申請を行ったにもかかわらず情報が共有される事態が発生した。
影響を受けたと考えられているのは、2015年3月~2018年6月の間にタイプ2オプトアウトの申請を行った患者で、NHSは対象患者に通知しているという。
TPPもプログラムの誤りに関する謝罪を発表しているが、ミスの詳しい性質は明らかになっていない。米ZDNetは同社に詳しい情報を求めているが、回答は得られてない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。