ZDNet Japan編集部は2018年12月4日、都内で「ZDNet Japan Summit 2018攻めのIT経営を実現する4つのトレンド」を開催した。企業がデジタルを活用して新たな価値とビジネスを創出していくために必要な「攻めのIT」のアプローチについて、戦略・開発・インフラストラクチャ・現場改革の4つの視点から、講演とセッションを通じて方法論を提示した。
ここでは、レッドハットと日本ヒューレット・パッカード(HPE)のセッション「デジタル変革とIT戦略の“真実”を語ろう!マイクロサービス、コンテナ--IT部門が知るべき、新しいゲームを勝ち抜くテクノロジとビジネスの関係」をお伝えする。
セッションには、レッドハット テクニカルセールス本部 アソシエートマネージャの河野恭之氏と、日本ヒューレット・パッカード Pointnext事業統括 テクノロジーアーキテクト部 部長の惣道哲也氏が登場、モデレータはZDNet Japan編集部の藤本和彦が務めた。
デジタル変革に対応したシステム基盤として、「Docker」や「Kubernetes」といったコンテナ技術がネット企業だけでなく、エンタープライズ領域にも広がりを見せている。これらの技術は従来のシステム運用・構築技術と異なるため、IT全体でのシステムの仕組みを考え直さないとならない。このセッションでは、コンテナ技術、マイクロサービスの活用はどこに最適解があるのか探った。
コンポーザブルインフラとオープンハイブリッドクラウド
日本ヒューレット・パッカード Pointnext事業統括 テクノロジーアーキテクト部 部長 惣道哲也氏
HPEは、ハードウェア製品とサービスの2つの軸で事業展開している。まずHPEの惣道氏は、今回のテーマに即したキーワードとして、「コンポーザブルインフラ」を提示。コンポーザブルインフラは、APIを通じてソフトウェア定義でインフラを自由に提供できるというもの。
そのコンセプトを備えたハードウェアが「HPE Synergy」で、「クラウドライクなオンプレミス機器。オンプレミス、仮想化環境、コンテナ基盤のワークロードを1つの機器で動かすことができる」(惣道氏)という。APIでインフラ構築を自動化し、コードでIT基盤を管理する「Infrastructure as Code」を具現化した製品となる。
レッドハットは、オープンソースソフトウェア(OSS)をエンタープライズ展開しているソフトウェア企業。最近は、オープンイノベーションラボを組織し、「製品だけでなくユーザーの体制や文化まで、デジタル変革を進める支援をしている」(河野氏)という。
今回のテーマにつながるのが、どんなタイミングでも自由にクラウドを移動できる環境を構築できる「オープンハイブリッドクラウド」戦略で、クラウド環境の構築基盤である「OpenStack」、クラウドネイティブなアプリケーションの開発・動作基盤「OpenShift」、クラウドに対応した管理と自動化の「Ansible」など、クラウド間を自在に行き来できる基盤ソフトを提供している。