効果的なアジャイルチームが持つ6つの特徴

Joe McKendrick (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎 2019年02月06日 06時30分

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 アジャイルムーブメントに参加したいと考えている企業の役員やマネージャー、プロフェッショナルは多い。アジャイルがソフトウェア開発手法として望ましいと考えられているだけでなく、大きな意味での製品開発手法としても優れていると見なされているためだ。しかしアジャイルは、一夜の取り組みで組織全体に浸透させられるようなものではない。成功するワークフローを作るには、チームに参加するメンバーに備えと意欲が必要となる。

 これが、MckinseyとScrum.orgが発表した調査レポートの結論だ。この調査では、優れたアジャイルチームのメンバーに共通する特徴を突き止めている。このレポートはMcKinseyのWouter Aghina氏、Christopher Handscomb氏、Jesper Ludolph氏、Abby Yip氏と、Scrum.orgのDave West氏が執筆したもので、アジャイルの成功に繋がるメンバーの性格と、働き方に対する価値観を特定している。

 破壊的改革を進め、現状を打破しようとする。アジャイルを成功させるには、まず既存の手順や考え方をひっくり返す心構えが必要だ。Aghina氏らは、「これは、メンバーが従来とは違うことを積極的に試してみる起業家的気質を持っているか、そのような気質を獲得する必要があることを意味している」と述べている。「優れたアジャイルチームは、積極的に現状を覆し、古いやり方を捨ててビジョンを追求している。また必要とあらば、既存の制約を拡大解釈・再定義したり、ルールや伝統を曲げて成功を掴む」

 合意を形成するのがうまく、率直な態度を取る。Aghina氏らの調査で、優れたチームのメンバーは合意を作るのが得意であることが明らかになった。これは、何も考えずに相手に賛成するということではなく、新しいアイデアを試してみることに寛容だということだ。Aghina氏らは「多くの文化では、競い合いの文化を教え、助長しているが、別の方法でパフォーマンスと機動性が高い組織を生み出している例が多く見られるようになっている」と述べている。また、もう1つの特徴は率直さであり、これは「他人の視点に対してオープンで率直でありながら、チームとは異なる意見があれば、礼儀正しい態度で発信するだけの大胆さは持っている」ことを意味するという。

 曖昧さに対応する能力が高い。優れたアジャイルチームのメンバーは曖昧さに対応する能力が高く、この特徴は「細部やリスクを完璧に理解するために多くの時間を割き、それらの要素をすべて計画に織り込むことよりも、目標を重視して少数の項目を優先し、まず仕事を進めることに重きを置く」のに役立っているという。

 顧客との距離が極めて近い。この特徴のおかげで、優れたアジャイルチームはもっとも経済的なソリューションを見つけ、問題や製品に対して力を合わせてソリューションを見出し、人間らしいコミュニケーションを取ることができる。

 自発性が高い。変化に対する寛容性を構成する価値観の中でも、自発性は特にアジャイルチームのメンバーが重視している価値観だ。Aghina氏らは、この価値観を養うには時間がかかると述べている。「誰かにやる気を出して自立した行動を取れと言うだけで、そのような行動が取れるわけではない。自立性を獲得するには経験と成熟が必要で、それには時間をかけるしかない」ためだ。長期的に見れば、チームが自発的であることは、チーム規模の拡大しやすさ、素早い意思決定、質の高い作業につながる。

 最終製品に対して自負を持っている。優れたアジャイルチームは「仕事(プロセス)に対する自負よりも製品(成果)に対する自負に重きを置いている。自負を持つということは、仕事に満足する以上のことを意味している。また同時に、自らを製品と結びつけて評価されることを望んでおり、製品がもたらす価値と貢献を自らの成果だと考えていることを意味している」という。このことはイノベーションも促進する。

 Aghina氏らは、優れたアジャイルチームにはさまざまなスキルが必要であり、これには技術的な能力だけでなく、「生来持っているか、適切なコーチングや教育を経て獲得した、機動性を実現するために適した性格、行動、価値観を持つ人材が必要だ」と述べている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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