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1年間で100以上のロボットを稼働--楽天のRPAプラットフォーム構築の紆余曲折

鈴木恭子

2019-03-04 07:00

全社的にRPAが活用できるプラットフォーム構築を目指す

 RPA推進に関する楽天の取り組みは、サーバ型RPAツール「Blue Prism」を提供する英Blue Prismが2月27日に開催した「RPA・デジタルワークフォース カンファレンス 2019」で紹介された。

 創業22年で、世界30カ国地域にまたがるビジネスを展開する楽天。現在は12億人超のグループサービス利用者を擁し、グローバルでの年間流通総額は15兆4000億円に上る。

 楽天でインフォメーションサービス統括部シニアマネージャーを務める内藤しのぶ氏は、「楽天の優位性は『楽天エコシステム』と呼ぶ経済圏にある。顧客は1つのIDで、楽天グループのさまざまなサービスを利用できる。われわれは、事業間でコラボレーションしたり、事業グループの成功事例を水平展開したりすることが可能だ」と説明する。

楽天 インフォメーションサービス統括部シニアマネージャー 内藤しのぶ氏
楽天 インフォメーションサービス統括部シニアマネージャー 内藤しのぶ氏

 もう1つの優位性は、それぞれのサービス事業にITチームがあることだ。従業員約1万7000人のうち、ITに携わっている社員数は2500インに上る。「楽天にはエンジニアの意見を大切にする会社風土がある。こうした面もRPAが導入しやすい土壌を支えたと考えている」(内藤氏)

 楽天では 2017年第2四半期からRPAを調査し、同年第3四半期初頭に概念実証(PoC)を実施した。PoCは技術部門が中心になって実施したが、あまり進捗はなかったという。

 こうした経緯から同年第4四半期に「RPA推進組織」を設立し、ツールの選定を実施した。この時目指したのは、全社的にRPAが活用できるプラットフォームの導入だ。

 さらに、2018年第1四半期に各事業グループの最高経営責任者(CEO)に対し、「RPAとは何か」「RPAの導入でどのようなメリットを享受できるのか」を説明し、「RPAは人間に取って代わるものではない」ことを理解してもらったという。

技術部主導と事業部主導の開発モデルを同時並行

 RPAツールの選定に際し、楽天ではサーバ型ツール2製品とデスクトップ型ツール1製品で2つの基本作業を比較した。具体的にはメールに添付された「Excel」を開き、決められた作業をするテスト。もう1つはウェブ上のツールにデータを登録するテストだ。その結果、作業のスピードにはそれほど差がなかったものの、保守性やコストの観点からBlue Prismに軍配が上がったという。

 内藤氏は「Blue Prismを一番評価したのがエンジニアだった。デバッグの容易さは、彼らにとってポイントが高かった。また、楽天は開発環境が多いため、Blue Prismのライセンス体系もマッチしていた」と説明する。

RPAツール選定の比較表「Blue Prismは開発難度が若干高かった」という
RPAツール選定の比較表「Blue Prismは開発難度が若干高かった」という

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