「Linux 5.0」公開--ナンバリングに特別な意味はなくとも、複数の強化

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2019-03-06 10:37

 「Linux 5.0」が公開された。喜びたいところだが、Linus Torvalds氏はこのリリースについて、「(再び)指摘しておきたいが、我々は機能に基づいたリリースはしていない。よって『5.0』は、4.xを数えるのに両手と両足では数え切れない数になったということ以上の意味はない」と説明している。

 期待していた人にとってはあっけない結末ではあるが、Torvalds氏の言葉通りだ。5.0は単に新しいLinuxカーネルの公開に過ぎない。

 5.0公開前、Torvalds氏はLinux Kernel Mailing List(LKML)のメーリングリストで次のように5.0での変更点を記していた。「約50%はドライバ、20%はアーキテクチャのアップデート、10%はツーリング、残りの20%はそれ以外のさまざまなもの(ドキュメンテーションやネットワーキング、ファイルシステム、ヘッダファイルの更新、コアカーネルコードなど)だ。特別なものは何もないが、私はいくつかの古いドライバが廃止されることを好ましく思っている(isdnなど)」。

 つまり、新たに登場した5.0には価値のあるアップデートはあるということだろう。

 Linux 5.0は、Googleの「Adiantum」ストレージ暗号システムをサポートする。AdiantumはAndroidスマートフォンなどの低消費電力デバイスで使われており、Linuxでのサポートはこれらのデバイスにとって大きな前進となる。Adiantumはこれまでの暗号システムより高速だ。GoogleのAndroidセキュリティ&プライバシーチームのPaul Crowley氏とEric Biggers氏はブログに次のように書いている。「もしあなたのスマートフォンが誰かの手に渡ったとしても、ストレージ暗号化はあなたのデータを保護してくれる。Adiantumは暗号化におけるイノベーションであり、暗号化アクセラレーション技術なしにデバイスの暗号処理を効率化する。これにより、全てのデバイスを暗号化できる」。

 Linux 5.0はメモリの分断化に関する対応も加わった。

 この他、グラフィックドライバも改善された。AMD FreeSync、TuringアーキテクチャのNVIDIA RTXRaspberry Pi Touch Displayなどが新たにサポートされている。

 「Meltdown」と「Spectre」の脆弱性の対策が引き起こしていたパフォーマンスの問題も改善した。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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