ASUSは米国時間3月26日、複数の脆弱性の修正を含む新バージョンの「Live Update」ツールをリリースした。これらの脆弱性は、国家レベルのハッカー集団がバックドア「ShadowHammer」を仕込むのに悪用したもので、100万台以上の「Windows」搭載PCに影響を与える可能性があるとされていた。
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ASUSは26日のプレスリリースで、ASUS Live Updateの最新バージョン3.6.8には前述の修正が含まれると発表した。
「(ASUS Live Update v3.6.8は)ソフトウェアアップデートなどの手段による悪意ある操作を防ぐために、安全性を確認する複数の仕組みを導入し、強化されたエンドツーエンドの暗号化メカニズムを実装した」(ASUS)
ASUSはまた、「同様の攻撃が今後起きるのを防ぐために、サーバからエンドユーザーまでのソフトウェアアーキテクチャ」を更新し強化したと述べた。
この問題についてはMotherboardが25日、ASUS Live Updateツールをハッカーが乗っ取り、マルウェアをひそかにデバイスにインストールしていたと報じていた。
ASUSは26日のプレスリリースで、影響を受けたユーザー数は100万人以上とするKaspersky Labの推定値や、感染したPCは最大50万台とするSymantecの推定値を重視せず、「悪意あるコードを埋め込まれたのは少数の機器」だけだと述べた。
ASUSによると、バックドアにされたのは、ノートPCで使われているバージョンのLive Updateツールだけであり、他のデバイスは影響を受けないという。
研究者によると、このマルウェアは特定の標的を狙っていたという。Kaspersky Labの研究者は、標的となった600以上のMACアドレスを特定したとしている。
ASUSはLive Update 3.6.8をリリースしたが、このバージョンにアップデートした場合に、バックドア化した旧バージョンのLive Updateの痕跡がすべて削除されるのかどうかは不明だ。
ASUSは、同社のカスタマーサービスが、影響を受けたユーザーに連絡し、セキュリティリスクを排除できるよう支援してきたと述べた。
ASUSがより詳しい情報を明らかにするのが待たれるが、同社の顧客は今のところ、Live Update 3.6.8にアップデートすることはできる。
ASUSとKaspersky Labは、自分の機器のMACアドレスがShadowHammer攻撃の標的になった600件に含まれるかを確認できるツールを提供している(リンク先をクリックするとzip形式でダウンロードされる)。Kaspersky Labのウェブサイトでは、ウェブ版のチェックツールも提供している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。