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海外コメンタリー

人工知能を活用した"AIOps"でITのサービスデリバリーが向上

Joe McKendrick (ZDNet.com) 翻訳校正: 沙倉芽生

2019-06-12 06:30

 人工知能(AI)によって、機械やボットが企業内のさまざまな場面で大変な仕事を任されるようになる中、現在IT部門の大変な仕事を自動的にこなすような構想やベンダーの製品が増えてきている。

 もちろん、IT機能の自動化は、1990年代のジョブスケジュールシステムから10年以上前に登場した自己修復システムに至るまで、何十年も進化し続けている。最近では、ITの自動化もさまざまな名称で呼ばれるようになった。自律システム、自動運転システム、ボットなどがその一例だ。このところ、その多くはAIOpsとも呼ばれている。Ops系手法の一環として、AIや機械学習を適用することでITサービスのデリバリーを機械化し、標準化し、自動化しようというものだ。

 いまのところAIOpsはうまくいっている。少なくともこれまでに実装されてきたものは問題なさそうだ。200人のITマネージャーを対象に行った調査によると、すでにこうしたツールを使っているか実践してきた人は、AIOpsがITの面倒な部分の管理に役立っていると答えている。OpsRampが発表したこの調査では、87%がAIOpsツールに価値があると回答しており、「予防的なIT運用が可能で、ハイブリッドインフラストラクチャのレジリエンシー(回復力)が高まった」としている。OpsRampはAIOpsツールプロバイダーでもあるため、こうした結果を宣伝するの当然のことだ。同時に同調査では、AIOpsが最適に展開されるポイントを指摘しているほか、一部の問題はまだ解決に至っていないことも明らかにしている。

 まず、AIOps構想に関する問題から始めよう。ここで発生する問題は、信頼性の高いデータセットを構築することや、AIやAIOpsを具現化する才能を持った人物を探し出すことなど、AIや機械学習全般での問題と同じだ。AIOpsを実装した人のうち3分の2以上が、AIOpsの推奨する妥当性と信頼性に対する信用を築くには時間がかかると回答している。それまでは、「パフォーマンス最適化に向けた正しい決断を下すにあたり、IT部門はデータに基づいた知見と人間の判断を組み合わせている」と、調査の執筆者は述べている。

 AIOpsを具現化できるスキルを持った人が見つからないと回答したITマネージャーも、64%と同程度の割合で存在する。調査では、53%という多くの企業にて、データサイエンスや分析の専門家を雇うまでに6~12カ月かかっていることがわかった。また10社に1社以上で、データサイエンティストを雇うまでに1年以上かかっているという。理論上は、データセンターを運用するために必要なスキルも長期的にAIOpsによって削減されるはずだが、現状ではIT部門にて機械学習技術の専門知識を習得し、インシデント分析のスキルと組み合わせてAIOpsの導入をサポートする必要がある。

 もうひとつ、52%のITマネージャーが懸念事項として挙げているのは、制御ができなくなることだ。これは過去にほかの新たな技術に対して言われてきた懸念事項と同じだ。問題の診断やトラブルシューティングができ、修復に向けて実用的な知見を提供する自動駆動型自律システムに対し、制御を完全に譲渡する準備がITマネージャーにできているかというと、まだそこまでの準備はできていないだろう。

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