不要な情報を削減--今後のデジタルワークプレイスで考慮すべき3つのトレンド

永長純 小林伸睦 (シトリックス・システムズ・ジャパン)

2019-05-23 06:45

 Snapchat中毒の人々とYahoo!のメールアドレスを使っている人々の意見が一致することがひとつあるとすれば、それはエンタープライズソフトウェアはコンシューマー向けテクノロジーに遅れを取っていることです。

 企業が2019年に人材を惹き付け、生産性を高め、また競争力を維持するためには、エンタープライズテクノロジーが切実に必要としている改善を実現するため、デジタルな職場での(1)機械学習を活用してエンプロイーエクスペリエンスを改善、(2)不要な連絡と業務の中断を削減するためのパーソナライゼーション、(3)自動化により障害を解消――という3つのトレンドを考慮する必要があります。

1.機械学習を活用してエンプロイーエクスペリエンスを改善する

 機械学習が普及し、企業のプロセス自動化とデータ活用を支援しています。企業は機械学習を使ってエンプロイーエクスペリエンスを改善し、時間を掛けて指標値を探したり、あるいは同様に時間を掛けてダッシュボードを構築したりすることなく、複雑なシステムから重要な情報を浮き上がらせることのできるツールを求めています。

 たとえばデジタルエクスペリエンスのソリューションでは、ビジネスアプリケーションが生み出すデータの傾向を監視し、ウェブサイトのトラフィックが異常な増加や減少を示した場合にはマーケティング部門トップにそのことを伝えるため機械学習を使う場合があります。同様に、このシステムは100ドル未満の経費支給申請に管理職がどのように対応しているかを監視し、その作業の自動化を推奨する際にも利用できます。

2.不要な連絡と業務の中断を削減するためのパーソナライゼーション

 現在は、時間が貴重な資源のひとつです。従業員は日々の業務において、膨大な数のメッセージ、新しい情報、通知への対応に苦労しています。今日の従業員が中断なしに連続して業務に集中できるのは最大でも11分間であり、中断後に業務に戻るためには約25分を費やしています。

 個々の従業員に最も関連性の高い作業と情報のみを供給するようエンタープライズアプリケーションをパーソナライズすれば、従業員はより多くの作業を済ませ、日常のタスクを迅速に処理し、それによって納期延期を回避できます。関係性の薄い情報の振り分けに時間を浪費するのではなく、従業員は仕事の中で時間の余裕を持ち、エンゲージした状態を維持できるようになります。

 パーソナライズされたアプリケーションは生産性を45%高め、年間に最大240時間の無駄な時間を解消できることが示されています。

3.自動化により障害を解消

 従業員の40%以上は少なくとも自分の時間の4分の1をマニュアルによる繰り返し作業に費やしています。現実にも生産性の低下と統制がとれていない業務プロセスにより、企業には年間に1兆ドルもの損害が生じています。

 職場での作業自動化を拡大することにより、企業には時間の余裕が生まれ、作業の合理化そして障害を解消し、価値を生む作業に注力できるようになります。作業の自動化は、簡単な要求に対する承認などの作業を自動化し、パーソナライズされた情報とコミュニケーションを理にかなって提供するなどの利点を生み出します。

 このような利点は企業側のみに得られるものではなく、従業員の89%は職場での自動化によって業務の効率が高まったと述べています。

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