本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、New Relicが提供するデジタルビジネスのパフォーマンス管理を行うSaaS型サービス「New Relic One」である。
可観測性を提供するプラットフォーム
New Relicは先頃、デジタルビジネスのパフォーマンス管理を行うSaaS型サービス「New Relic One」を国内で提供開始すると発表した。デジタルビジネスを展開するパブリッククラウドやオンプレミス環境上で構築したシステムのパフォーマンス(性能)を監視し、状況に応じて適切に対応できるようにするサービスである。
図1:New Relic Oneの概要(出典:New Relic)
図1がNew Relic Oneの概要である。同社ではこのサービスを「可観測性(オブザーバビリティ)を提供するプラットフォーム」と位置付けている。「可観測性」が、このサービスにおける重要なキーワードとなっている。単なる可視化ではなく、より深く継続して「観測」する意味合いが込められているようだ。
3層からなるプラットフォームの基盤となるのは、クラウドネイティブプラットフォームだ。その上に、デジタルサービス開発に必要な領域として、カスタマーエクスペリエンス、アプリケーション、インフラストラクチャが並んでおり、これらのパフォーマンスを可観測化することによって、そこから得られるインサイト(洞察)をリアルタイムに分かりやすく視覚化して見せるのが、一番上にあるダッシュボードなどである。(図2)
図2:New Relic Oneのビジネスダッシュボード(出典:New Relic)
なお、New Relicは、日本では昨年から本格的な活動を始めたばかりなのでまだあまり知られていないが、親会社の米New Relicは創業11年目で、SaaS型アプリケーションパフォーマンス管理(APM)ベンダーとして当初から注目されていたようだ。そして、前述したように、今ではアプリケーションだけでなくインフラストラクチャおよびカスタマーエクスペリエンスに関するインサイトをリアルタイムに見えるようにしたサービスを提供。デジタルビジネスを推進する企業から一躍注目を集める存在となっている。