現在のスーパーコンピューター分野は、ペタフロップスの性能によって支配されている。2019年のTOP500にランクインしたスーパーコンピューターはすべてペタフロップスレベルの性能を備える。
TOP500プロジェクトは、「High-Performance Linpack」(HPL)ベンチマークに基づいて世界中のスーパーコンピューターを評価するランキングで、1年に2回更新される。今回、同プロジェクトが1993年に開始されて以来、初めてペタフロップスの性能を備えるシステムのみがTOP500にランクインした。
現在、TOP500に名を連ねるには、最低でも1.022ペタフロップスの性能が必要である。
1位の「Summit」と2位は「Sierra」はいずれもIBM製のスーパーコンピューターだ。Summitは、テネシー州にある米エネルギー省のオークリッジ国立研究所(ORNL)に設置されている。一方、Sierraはカリフォルニア州のローレンスリバモア国立研究所にある。
Summitは148.6ペタフロップスの演算性能を誇る。一方、Sierraの記録は前年と同じ94.6ペタフロップスだった。
ハードウェアに目を向けると、Summitは4356台のノードを使用しており、そのすべてが2基の「Power9」CPU(22コア)と6基のNVIDIA「Tesla V100」GPUを搭載する。Sierraは4320台のノードで構成されており、各ノードが2基のPower9 CPUと4基のNVIDIA Tesla V100 GPUを搭載している。
3位と4位はいずれも中国のスーパーコンピューターだ。国家並列計算機工学技術研究センター(NRCPC)が所有し、中国江蘇省無錫市の国立スーパーコンピュータセンターにある「Sunway TaihuLight」(神威・太湖之光)は、93.0ペタフロップスの性能を備える。このスーパーコンピューターは「SW26010」プロセッサーを搭載し、1000万個以上のコアを備える。
4位の「Tianhe-2A」(天河二号)は、中国人民解放軍国防科学技術大学(NUDT)が所有し、広州の国立スーパーコンピュータセンターに設置されている。61.4ペタフロップスの性能を備えるTianhe-2AはIntel 「Xeon」および「Matrix-2000」プロセッサーで構成されている。
日本の「AI橋渡しクラウド」(AI Bridging Cloud Infrastructure:ABCI)スーパーコンピューターは19.9ペタフロップスを記録し、8位に入った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。