富士通は7月31日、NTTドコモに第5世代移動体通信(5G)向けの基地局制御装置と無線装置の納入を開始したと発表した。
制御装置は、無線アクセスネットワークのデータ処理と無線装置の制御に使う。単一のハードウェアに異なる無線方式を実装するSDR(Software Defined Radio)技術を用いた独自のソフトウェア拡張によって5Gに対応する。既存方式(3G/LTE/LTE-Advanced)の制御装置を生かし、最小限のハードウェア変更のみで、迅速かつ低コストに5Gネットワークの展開が可能になる。
無線装置は、スマートフォンやタブレットなどに無線接続して、5Gの無線アクセスネットワークを構成する。今回導入する製品は、従来では無線装置の外部に設けていたアンテナ装置を内蔵することでビームフォーミングを実装し、効率的なネットワーク構築を実現する。ラインアップとして、5G周波数である3.7GHz/4.5GHz/28GHz帯に対応した3種をそろえている。
5Gのネットワークを実現する装置構成(出典:富士通)
さらに、制御装置と無線装置間の通信を担うフロントホールのインターフェースには「O-RANフロントホール仕様」を採用している。これにより、同仕様に準拠する他ベンダーの制御装置や無線装置との接続が可能となる。また、制御装置と無線装置で採用している無線のインターフェースは、3GPP Rel-15仕様書に準拠しており、5Gサービスのスムーズな開始が可能だ。
富士通は、これまでNTTドコモと共同で、O-RANフロントホール仕様に準拠した制御装置と無線装置の開発を進めてきた。今後もNTTドコモとのパートナーシップをさらに強化し、5Gサービスの開始や展開を支援していく。