コンテンツコラボ市場、17.7%増--背景に働き方改革、SaaSへの移行進む

藤代格 (編集部)

2019-08-26 07:00

 アイ・ティ・アール(ITR)は8月22日、国内のコンテンツ・コラボレーション市場予測を発表した。2018年度の売上金額は前年度比12.7%増の278億9000万円。2018~2023年度の年平均成長率(Compound Annual Growth Rate:CAGR)は7.2%で、2023年度には400億円規模に拡大するという。

 文書ファイルなど、業務利用する各種コンテンツをサーバーやクラウド上で共有し、閲覧や編集、共同作業などができるエンタープライズコンテンツ管理(ECM)、文書管理、オンラインファイル共有といった製品、サービスを「コンテンツ・コラボレーション」と総称。

 構成するほとんどのベンダーの売り上げが伸長。提供形態別で見ると、2018年度のパッケージが前年度比17.7%増、SaaSは5.8%増になるとしている。

2017~2023年度のコンテンツコラボレーション市場規模推移および予測(出典:ITR)
2017~2023年度のコンテンツコラボレーション市場規模推移および予測(出典:ITR)

 製品分野別でみると、機密性の高い文書を大量管理する一部企業でECM、文書管理のパッケージでの導入傾向があるものの、全体としてはSaaS移行が進んでいるという。提供ベンダー数は少ないが、ほぼ市場を独占しているトップベンダーが堅調に伸長。業種や企業規模を問わず導入が進むとしている。

 オンラインファイル共有は大多数がSaaSとなり、スマートデバイスからのファイル利用、取引先とのファイル交換など、クラウドの利便性によって年々需要が増加しているという。文書の版管理、ワークフローなどの機能を合わせ持つサービスもあり、ECM、文書管理の代替としての利用も増加傾向にあるとしている。

 ITRの取締役でシニアアナリストの舘野真人氏は、「働き方が多様化するなか、従業員のナレッジワークを支えるべく、ビジネスコンテンツの場所を問わない共有、活用が強く求められるようになり、SaaSのECMやオンラインファイル共有の需要を拡大させている。一方、規制緩和により法定文書のデジタル保存が認められ、その管理を担うオンプレミスの文書管理システムも依然として注目されている。コンテンツの利用形態や共有範囲に即して複数の製品、サービスを組み合わせて運用する企業が増えており、この動きは今後も続く」とコメントしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  2. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

  3. 運用管理

    IT管理者ほど見落としがちな「Chrome」設定--ニーズに沿った更新制御も可能に

  4. セキュリティ

    シャドーITも見逃さない!複雑化する企業資産をさまざまな脅威から守る新たなアプローチ「EASM」とは

  5. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]